防衛省「衛星コンステレーション整備・運営事業」をスカパー、三菱電機ら7社が落札

スカパーJSAT、三菱電機、三井物産、Synspective、QPS研究所、アクセルスペース、三井物産エアロスペースの7社は2025年12月24日、防衛省が一般競争入札で公募していた「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」を落札した。

地球低軌道を周回する複数の小型衛星が、地表に向けて観測ビームを照射している様子を示したイメージ。

「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」イメージ

同事業は、スタンド・オフ防衛能力の実効性確保に必要な画像情報を安定的に取得することを目的としたPFI(民間資金等活用事業)。スタンド・オフ防衛能力とは、脅威圏外の離れた位置から目標に対処することで、外部からの攻撃を効果的に阻止する能力を指す。民間企業が運営する低軌道衛星コンステレーションを構築・運用し、防衛省が必要とするタイミングで優先的に画像を取得できる体制の整備を目指す。

現行の商用衛星による画像提供では、必ずしも防衛省が求める時点での撮像が保証されない場合がある。この取り組みでは、防衛省が画像取得の優先権を持つ仕組みを前提に、専用の衛星群と地上設備を整備・運用することで、安定的かつ継続的な画像取得を目指すという。

スカパーJSAT、三菱電機、三井物産の3社は2026年1月に防衛省と基本協定書を締結する予定。その後、落札者に求められる特別目的会社(SPC)を設立し、同年2月をめどに防衛省との間で事業契約を締結する計画だ。事業期間は契約締結日から2031年3月31日までの約5年間。

7社を組成するSynspectiveとQPS研究所は合成開口レーダー(SAR)データの提供、アクセルスペースは小型地球観測衛星の開発・運用に強みを持つ。また三井物産エアロスペースは商社として日本の宇宙開発事業に携わってきた。民間のノウハウを防衛用途に活用する枠組みとなっている。

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