導入・選定ガイド

OpenFlow導入ガイド[前編]――これだけは理解しておきたい基礎知識

文◎楽天理(フリーライター) 2012.08.08

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グーグル、NTTコミュニケーションズなど、OpenFlowの導入事例が続々と出てきた。また、大手ネットワークベンダーのOpenFlow対応も相次いでいる。前編ではまず、仮想化時代のネットワークを実現する“大本命”技術として急浮上したOpenFlowの基礎知識を解説する。

OpenFlowの導入メリット

こうした特徴を持つOpenFlowには、具体的にどのようなメリットがあるのか。前編の最後に、代表的なメリットを列挙しておこう。


サーバー仮想化のボトルネックを解消できる

サーバー仮想化のメリットの1つは、新たなアプリケーションを展開する際などに、必要なITリソースを即座に用意できることだ。ところが、ネットワークの変更に時間を要するため、実際には迅速な展開は難しかった。しかし、OpenFlowでは、物理ネットワークに依存せずに、コントローラー側の設定だけで仮想ネットワークを構成でき、即座にアプリケーションを展開できるようになる。

また、VLANをまたいだ仮想マシンのライブマイグレーションも容易になるため、サーバー仮想化のもう1つのメリットである物理サーバーリソースの有効活用の点でも効果を発揮する。さらに、クラウド事業者などでは最大4094というVLANの上限数が課題となっているが、OpenFlowではこうした制限もなく、迅速にマルチテナントのネットワークを用意できる。


ネットワークの運用管理コストを削減できる
繰り返しになるが、現在の自律分散型のネットワークでは、構成や設定の変更に膨大な手間が必要になる。一方、集中制御型のOpenFlowであれば、運用管理負荷を大幅に低減できる。


ネットワークの設備コストを削減できる
OpenFlowを利用すると、サーバー仮想化環境で物理サーバーのリソースをプール化できるように、スイッチやロードバランサー、ファイアウォールなどのネットワークリソースをプール化し、物理的なネットワーク構成に縛られずに活用できるようになる。ネットワーク機器の有効活用を実現できるのだ。

また、物理ネットワークの構成を階層構造にする必要もなくなるので、高価なコアスイッチが不要に。帯域需要に合わせて簡単にスイッチなどを増設可能で、ネットワークのスケールアウトを容易に実現できる。そのため、将来の負荷を見越して高性能な機器を導入する必要がなく、スモールスタートが可能だ。


高品質かつ安定したネットワークを実現できる
従来のネットワークは、あらかじめ決められた通信経路でやりとりされるので、通信量が急増したり障害が発生すると通信が途切れたりする。しかし、OpenFlowなら通信負荷の増大や障害をリアルタイムに把握し、その情報をもとに最適な通信経路を自動で再設計することができる。


ベンダーロックインがない
従来のネットワーク機器は、ハードウェア/ネットワークOS/アプリケーションを一体提供する垂直統合型だった。対して、OpenFlowは、PCと同じような水平分離型のオープンな世界を目指している。つまり、マルチベンダー構成が容易なベンダーロックインのない世界だ。

 

図表5 OpenFlow/SDNが目指すのは水平分離型のオープンな世界
(出典:NEC)



以上、主だったメリットを挙げてみたが、OpenFlowはまだ登場したばかりのテクノロジー。まだ誰も思いついていないようなメリットを実現するユースケースが、今後続々と開拓されていくものと見られる。

例えば、NECとラドウェアはOpenFlowを活用したDDoS対策ソリューションで提携した。NECのOpenFlow対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」とラドウェアのDDoS対策製品「DefenseProシリーズ」を連携させることで、従来より効率的かつシンプルな設定でDDoS対策が行えるソリューションだ。

オープンなOpenFlowの世界は、APIを介した外部アプリケーションとの連携が容易なのも大きな特徴の1つ。これまでのネットワークは限られたベンダーのアイデアに閉じていたが、サードパーティやユーザー企業のアイデアを活かした多様なイノベーションが期待できるのである。

後編では、OpenFlow対応製品選びのポイントを解説する。

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