アクシスコミュニケーションズ(以下、アクシス)は2010年12月2日、IPビデオ監視ソフトウェアやNVR(ネットワークビデオレコーダー)などを提供するジャバテルとの販売提携の強化を発表した。アクシスのネットワークカメラとジャバテルのNVR「エイロク」を統合した監視ソリューションの提供により、中小規模市場の開拓に注力する。
アクシスコミュニケーションズ・代表取締役社長の永久茂氏 |
ジャバテルは、カナダGenetec(ジェネテック)社の日本総代理店で、Genetec製のIPビデオ監視ソフトウェア「OMNICAST(オムニキャスト)」を国内で販売している。OMNICASTは、H.264圧縮技術に対応しており、映像データ伝送を効率化してネットワークやストレージに関わるコストを削減できるほか、録画映像をSQLデータベースで管理することで映像検索を迅速に行えるのが特徴だ。
「エイロク」は、このOMNICASTを専用ハードウェアにプリインストールしてアプライアンス型で提供するものだ。カメラ台数20台以下、50台以下、100台以下の3タイプが用意されており、これまで大規模ユーザーを中心に展開してきたOMNICASTを、より低コストに導入できるようにした。アクシスとジャバテルは今後、エイロクを活用した中小規模向けIP監視ソリューションの共同プロモーションなどを展開していくという。
ジャバテルの中小規模向けNVR「エイロク」は、1Uラックマウントモデル2種類、液晶モニタへの取り付けも可能な超小型モデル1種類の計3種類がある。高圧縮率が特徴のH.264に対応していること、録画映像を素早く検索できることなどが特徴 |
アクシスは現在、アナログ監視システムからIP監視ソリューションへのリプレース需要に応えるため、同社のネットワークカメラに対応するNVRやPoEスイッチのメーカー各社との販売提携の強化を進めている。2010年9月には、アキュ・デーコム社との協業による中小規模向けパッケージソリューションを発売したほか、NVR「VioStorシリーズ」を提供するR.O.D社との提携も強化。10月には、ネットワークカメラ設置時の採用が増えているPoEスイッチの販売に関して、ネットギアジャパンとの販売提携強化を発表した。今回のジャバテルとの取り組みはこれらに続くもので、中小規模向けソリューションの販売体制がより一層充実した。
アクシスは2010年度後半、NVRやPoEスイッチを提供する各社との販売提携強化を次々と発表。中小規模ソリューションの拡販に注力している |
アクシス・代表取締役社長の永久茂氏は、これらの販売提携によって「エンドユーザーのお客様に対して幅広い選択肢が提供できる」と強調。合わせて、同社のネットワークカメラを取り扱う販売パートナーに対する情報提供、販売支援にもさらに注力し、アナログ監視システムからIP監視ソリューションへのリプレース需要に応えていきたい考えだ。