総務省の「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」(ICTタスクフォース)の「過去の競争政策のレビュー部会」(第1部会)と「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」(第2部会)の合同部会は2010年11月30日、「光の道」構想の実現に向けた取りまとめ案を示した。
第18回合同会合の模様 |
11月22日にまとめた骨子案(参照記事)から大きな変更はなく、NTTの在り方については、「NTT東西のボトルネック設備保有部門について『機能分離』を行うことが、現時点においては、最も現実的かつ効果的であると考える」とした。ソフトバンクが提案していた光アクセス会社構想についても骨子案の通り、「不確実性が高い」と退けた。また、NTT西日本の子会社社員が他社の接続情報を販売代理店に不正提供していた問題に絡んだ、NTT東西の子会社等との一体経営への対応についても、骨子案と同じく「NTT東西に対し、現行行為規制の内容を委託先子会社等にも遵守させるための措置を講じることが適当」とした。
前回の会合で、構成員から「ターゲット時期等の具体的な数値目標をできるだけ盛り込むべき」という声が上がったが、取りまとめ案には、加入光ファイバー接続料算定の在り方の部分で「平成23年度以降の接続料算定方法の見直しに向けた具体的な検討を開始することが適当」と記載されたのみだった。このため、今回も「何のタイムスケジュールがないというのは、非常に悪いメッセージなる」「(数値目標を入れないと)5年後にもまったく同じ議論をすることになるのではないか」「NTTの機能分離についても、2年後、3年後にきちんと検証し、ダメなら資本分離、構造分離をやるということを明記すべき」といった意見が相次いだ。
これに対して第2部会の山内弘隆座長は、「具体的に政務関係の方々とも相談し、12月中旬に開催予定の政策決定プラットフォームに向け、きちんとした打ち出しができる努力をしたい」と回答した。合同部会は今回で終了し、「光の道」構想は今後、政治レベルの議論に移ることになる。