NTTドコモは2021年11月18日、ドローン事業に関する説明会を開催した。
ドコモは2016年10月に「ドコモ・ドローンプロジェクト」として携帯電話ネットワークを活用したセルラードローン事業を開始。2019年3月からは、ドローンの飛行準備から撮影、フライト後のデータ解析やレポート作成までをWeb上で一元管理できる「ドローンプラットフォームdocomo sky」を提供している。本日よりドローンプラットフォームdocomo skyを「docomo sky Cloud」に名称を変更するとともに、「docomo sky」を同社のドローンビジネス全体を示すブランドとして活用する。
「docomo sky Cloud」を基盤に産業分野でのドローン活用を推進 |
docomo skyの新たな取り組みとして、「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」を提供開始することも発表した。
同プログラムは、上空でモバイルネットワークを利用するセルラードローンを活用した商品やサービスの提供を目指しているパートナーとの連携強化を目的としたものだ。パートナーには、NTT e-Drone Technology、エアロセンス、ソニーグループなど6社が名を連ねる(11月18日現在)。
「docomo skyセルラードローンパートナープログラム」には6社が加入 |
具体的な取り組みとして、パートナーの商材とドコモの通信サービスなどを組み合わせることで、産業や用途に合わせたドローンの機体やパイロットによる飛行、運行管理、保険などをパッケージ化して展開する。
その第1弾として、医薬品の配送に特化した「ddocomo sky医薬品配送パッケージ」と災害対策用の「docomo sky広域災害対策パッケージ」を提供開始した。洪水や土砂崩れなどの自然災害が発生した際、道路が通行止めになったり渋滞し、緊急性の高い医薬品などの輸送や早急な災害状況の把握ができないといった社会課題を解決することが可能になる。
セルラードローンパッケージの概要 |
ただ、機体を購入する購入型の場合、医薬品配送パッケージは450万円~、広域災害対策パッケージは990万円~となっており、初めてドローンを活用する企業や自治体にとってハードルが高い。そこで機体をレンタルし、本格導入前の実証も行えるトライアル型も用意した。医薬品配送パッケージは198万円~、広域災害対策パッケージは250万円~と導入しやすい料金となっている。
また、米Skydio社のドローンを利用したパッケージサービスも提供開始した。
同社のドローンは、機体の上下6カ所に搭載したカメラで360度確認し、GPSが取得しづらい環境でも障害物を認識し自律的に回避する機能や、構造物を自動認識し自律飛行しながら撮影を行う飛行支援ソフトウェア3D Scanを特徴とする。
ドコモ子会社のNTTドコモ・ベンチャーズが2020年よりSkydio社に出資しており、国内ではすでに橋梁の点検やキャンパスの自動巡回に同社のドローンが活用されている。
今回、自律飛行技術を活かした手動での近接撮影やSkydio 3D Scanを用いた撮影を行える「かんたんデータ取得パッケージby Skydio」と、設備や建設現場などの巡回業務でドローン活用を検討している企業向けの「どこでも巡回パッケージby Skydio」の2種類を提供する。いずれもパッケージ化により、手軽に利用することができる。料金は個別見積もりとなっている。
Skydio社のドローンを利用できるパッケージも提供 |
今後もパッケージサービスを拡充し、画像認識AIで農薬散布量の削減や作業時間の短縮を実現する「農業ドローンパッケージ」、ドコモが自社開発した球体ドローンを活用した「エンタメドローンパッケージ」などを予定しているという。