ソフトで儲けないビジネスモデル 発展のきっかけは独身の日!?同社のこのユニークなビジネスモデルのきっかけは、アリババからの「ハードウェアをオープンにしてほしい」というリクエストだったという。
大きな転機となったのが、2018年の11月11日「独身の日」のバーゲンセールだ。瞬間的に数億人ものアクセスが集中するセール開始に備えて、アリババが「リーフスイッチとサーバー間のインターフェースを25Gにし、かつ、IP Closによる無損失ネットワークを実現したい」という要望を出した。
同セールは開始1分間で約1700億円、1時間で1兆円を売り上げる。午前0時の開始時に目玉商品が出るため、瞬間的に膨大なトラフィックが発生。2018年以前はそれをさばききれず、売り上げが伸びないことがあったという。
これを確実に処理するため、アリババはRemote Direct Memory Access(RDMA)を採用。RDMA転送をイーサネット上で行うRDMA over Converged Ethernet (RoCE) の導入を決めた。それには、「“ロスレス”ネットワークが不可欠だ。RDMAを大規模DCネットワークで機能させるため、監視や制御最適化などをハードウェア上で実現した」と袁氏。このハードウェア開発を多くのベンダーが断るなか、「OKを出したのはRuijieだけだった」と振り返る。
これがアリババとRuijieが戦略的パートナーとして歩みだす契機となり、また、ハイパースケーラーの要求に応えて開発したハード/ソフト機能を“標準機能”として一般ユーザー向けの製品で安価に提供していくビジネスモデルへとつながった。図表2のように、現在も多くのモデルを展開している。最大の魅力は、やはり価格だ。
図表2 Ruijie データセンタースイッチファミリー
高橋氏は「400Gスイッチは、一般的な100Gの価格で提供できる。同様に、100Gは25G、25Gは10Gの価格帯で提供している。お客様がやりたいサービスに合わせて最適なインフラを導入するパートナーとしてぜひ、私たちを選んでほしい」と力を込める。インフラコストを劇的に下げ、さらに、自社に適した機能を付加することで新たな価値を生み出せれば、競争力は高まる。日本国内でもすでに、あるクラウド事業者がRuijie製品の検証を始めたという。
「SONiCのサポートを提供する企業も登場して使いやすくなっているし、SONiCの扱いが難しいという場合は、RGOSもあるので、安心してホワイトボックススイッチが活用できる。『こんなサービスをするために、こういうインフラを作りたい』と、お客様自身が主導権を持ってビジネスを進めるためのお手伝いをしていきたい」と高橋氏。日本国内でもRuijieのプレゼンスが高まっていきそうだ。
<お問い合わせ先>
Ruijie Networks Japan株式会社
TEL:03-6665-0730
E-Mail:katsumi@ruijienetworks.com
URL:https://ruijie.co.jp