RU(Radio Unit。5G基地局の無線機部分)で顧客を開拓し、Open RAN(Radio Access Network:無線アクセスネットワーク))ベンダーとしての地位を確立。2023年以降にOpen RANの運用が本格化する時点で、5Gコアネットワークや運用効率化・自動化関連ソリューションへと事業範囲を広げる――。
NECが2021年10月18日に開催した記者説明会で説明した「グローバル5G事業」戦略の骨子が、これだ。
NECは、単一ベンダーの製品で構成されていたRANをマルチベンダー化するOpen RAN製品の開発・提供を進めている。国内外の複数キャリアから受注を獲得しており、商用導入はすでに3件、トライアル・実証実験についても12件に製品提供している。
グローバル5G事業の顧客獲得状況
ビジネスの内容も、RU製品の提供のみに留まらない広がりが出てきているという。欧州のテレフォニカ、ドイツテレコムでは、他ベンダーの製品と組み合わせたOpen RAN構築のインテグレーションも手掛ける。執行役員常務の河村厚男氏は「顧客開拓は順調」と手応えを語った。
NECは2021年5月に策定した、2025年度を最終年度とする「2025中期経営計画」で、このグローバル5G事業をフォーカス領域の1つに挙げる。河村氏によれば、市場の成長性は非常に高く、「グローバル基地局市場において、Open RANは30%以上の年間成長率が期待できる。2025年にはその市場規模は1兆円を超える」と予測。世界の主要キャリアの85%がOpen RANを採用する意向を示しているという。
NEC 執行役員常務の河村厚男氏
NECは、このOpen RAN市場で、2025年度に売上1900億円(国内含む)を目指す計画だ。河村氏は、この目標達成に向けた3つの戦略を説明した。