楽天モバイルは「上りに強く下りは弱い」、英Opensignalが分析

モバイル通信サービスのユーザーエクスペリエンス測定・分析を行う英Opensignal(本社:ロンドン)は2020年6月25日、同年4月8日よりサービスが開始された楽天の「無制限プラン」に関するモバイル・エクスペリエンスについての分析を発表した。NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社と比較してアップロード速度が優れており、「楽天が画像や動画の共有、ソーシャルメディアの使用に対する利点を有していることが分かり、若い世代や都市部に住むユーザーにとって、魅力的なものであることが推測でき」るとしている。

一方、ダウンロード速度のエクスペリエンスについては、auやドコモ、ソフトバンクと比較すると46.9%も遅い結果となった。


楽天モバイルのユーザーエクスペリエンス(オレンジ色)と既存3キャリア(水色)の比較

このほか、アプリケーション種別に応じた分析も行っている。

ビデオ・エクスペリエンスについては66.5点のスコアをつけており、「とても良い」の分類ではあるものの、78.3点と「素晴らしい」の分類にある他事業者との差も目立つ結果となった。

ゲームおよびボイス・アプリのエクスペリエンスと、4G接続率(4Gに接続している時間)に関しては、現存3社とほぼ同一の結果となった。

楽天は、自社ネットワークが未整備なエリアにおいてKDDIのネットワークを使用しているが、国内の楽天ユーザーが楽天自身のネットワーク(45.3%)を使用している時間よりもローミング時間(54.7%)に多く費やしていることも明らかになった。名古屋では95.5%を楽天のネットワークで使用しているが、大阪や東京、埼玉においては80%超に留まっている。


楽天ユーザーのネットワーク利用率(自社網と国内ローミングの比率)

こうした分析の結果、Opensignalは次のように指摘している。

「現段階では、楽天のユーザーは現存事業者よりもダウンロード速度が遅く、ビデオ・エクスペリエンスについては少し悪い程度ですが、アップロード速度に関しては全体的に速いエクスペリエンスを有してます。パートナーのネットワークにおいてローミングをしている時と比較して、楽天自身のネットワークに接続する際、アップロードとダウンロードは、かなり速くなっています。

しかしながら、現時点において、楽天のネットワーク・エクスペリエンスが他の競合他社と比較してより良いものになるかを判断するのは時期尚早です。楽天の新しいネットワーク・テクノロジー・デザインがより多くの顧客に対応し、データ・トラフィックを上昇させるのかについて見極める事についても同様です。」

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