NTTコミュニケーションズは2019年12月9日、長距離・大容量伝送に優れたコア低損失大口径光ファイバー(CSM)ケーブルと最先端の高度デジタルコヒーレント光伝送装置により、世界最高水準となる400Gbpsの伝送基盤を東京-大阪間で構築したと発表した。WDM波長分割多重技術が導入された2000年と比較して、約170倍の伝送容量を実現したという。
NTTコミュニケーションズにおける伝送基盤の変遷
なお、この伝送基盤は大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII) が運営する、超高速・低遅延な学術情報ネットワーク「SINET5」のバックボーンに組み込まれ、実運用を開始している。
本伝送基盤の特徴として、光損失値の低減による中継伝送装置数の削減が挙げられる。
NTTコミュニケーションズによれば、①コア低損失大口径光ファイバーケーブルの採用、②ケーブルルートの最短化、③ケーブルの長距離敷設化などの工夫により、光損失値を40%低減。これにより、光信号と電気信号を相互に変換する中継伝送装置数が半減でき、故障発生リスクを従来と比較して50%に抑制できるとしている。
400Gbps伝送基盤の全体イメージ
また、すべてのケーブルルートにおいて、とう道や管路などの地下化された設備を活用するとともに、近年多発する自然災害(豪雨、地震、津波、地滑りなど)に備え、ハザードリスクを最大限考慮した最適なケーブルルートを選定するなど、災害に強い伝送基盤を実現した。