テラビット級DDoSもエッジで防御――ジュニパーユーザーに“おいしすぎる話”?!

ボリューム型DDoS攻撃は、スクラビングセンターで緩和――。そんな従来の常識に風穴が開けられようしている。導入済みのエッジルーターでテラビット超のDDoS攻撃を防げるソリューションが登場した。

「これが業界の新トレンドだ」。米Corero Network Security社CEOのアシュリー・スティーブンソン氏は、こう語ったうえで、次のように胸を張る。

「他の有力ベンダーも『将来やる』とは表明しているが、ジュニパーネットワークスのJunos Trioチップセットはすでに実現できている。Coreroとジュニパーは、おそらく12カ月は競合他社に先行しているだろう」

同氏が、これからのトレンドとしたのは「シリコンフィルタリング」――。チップセットでのハードウェア処理による高速パケットフィルタリングのことである。そして、この新トレンドを活用してCoreroとジュニパーが提供するのが、テラビットを超える攻撃もエッジで防御できるというDDoS攻撃対策ソリューションだ。

(左から)ジュニパーネットワークス 技術統括本部 テクニカルビジネス推進本部 本部長の上田昌広氏、米Corero Network Security社CEOのアシュリー・スティーブンソン氏
(左から)ジュニパーネットワークス 技術統括本部 テクニカルビジネス推進本部 本部長の上田昌広氏、米Corero Network Security社CEOのアシュリー・スティーブンソン氏

50%がジュニパーユーザー1997年に創業したCorero。元々IPSベンダーだった同社は、「5年前にDDoS攻撃対策ソリューションに集中することに決め、世界中の顧客に販売してきた」。主なユーザーは携帯電話事業者等のサービスプロバイダー、ホスティング事業者、デジタル企業などだが、その活用状況を調べたところ、ある興味深い事実が1つ浮かび上がったそうだ。

「顧客の50%がCoreroをジュニパーの製品に直接つないでいることが分かった。しかも、『両社の製品を組み合わせることで、非常にうまく機能している』と顧客は言っている」

この事実を知った両社は2017年にテクノロジーアライアンスパートナー契約を締結。2018年10月に両社の製品を統合したDDoS攻撃対策ソリューションの提供を開始した。

「Coreroは、DDoS攻撃を検知/ミティゲーション(緩和)するための強力なブレーン『SmartWall TDD』を持っている。このブレーンに、ジュニパーのルーター『MXシリーズ』の強力なパワーを接続した。統合によって、さらにパフォーマンスやスケールは向上した」

月刊テレコミュニケーション2019年6月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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