インターネットトラフィックは今も急激な勢いで伸び続けている。
シスコシステムズが発行した「CiscoVisual Networking Index: Forecastand Trends,2017-2022」によれば、世界の1カ月当たりのIPトラフィックは、2017年の122EB(エクサバイト)から2022年には3倍超の396EBに増大すると予測されている。シスコでデータセンター/バーチャライゼーション事業担当 執行役員を務める石田浩之氏は、「IoTで、今までつながっていなかったデバイスもインターネットにつながってくる。キャリアネットワークも5Gで飛躍的にトラフィックが増える」と話す。
400G×32=12.8Tを1Uに集約こうしたなか、大量のトラフィックが集中するクラウドデータセンターやモバイルキャリアから待望されていたのが、400ギガビットイーサネット(400GbE)だ。
2017年12月に標準化が完了した後、スイッチメーカー各社が続々と400GbE対応製品を発表している。ジュニパーネットワークスは2018年8月に、同年下半期からリリースするキャリア向けルーター「PTX/MXシリーズ」やデータセンター向けスイッチ「QFXシリーズ」で400GbEをサポートすると発表。アリスタネットワークスも2018年末から、400GbEスイッチの「7060PX4-32」「7060DCX-32」を順次発売する。
11月にはシスコも続いた。データセンター向けスイッチ「Nexus 3400S」「Nexus 9300GX」の2シリーズ(各2モデルずつ)を発表。前者は、1RUサイズで32個の400GbEポートを備えるモデルを用意し、「シンプルに広帯域を使いたい」ユーザー向けに提供する。一方のNexus 9300GXはCiscoACI等に対応しており、「広帯域に加えて、高度なテレメトリ機能やSDN、インテントベースネットワークが使える」モデルだ。2019年上期から順次提供を始め、「今後キャリア向けコアルーターでも400GbE製品が出てくる」と石田氏は話す。
図表1 Ethernetスピードの進化の歴史
この400GbEを実現するうえで鍵となったのが、多値変調「PAM-4」(PAM:Pulse Amplitude Modulation=パルス振幅変調)の採用だ。
これまでイーサネットの光変調に用いられてきたNRZ(Non-Return toZero)符号変調(2値変調)に比べて、PAM-4(4値変調)では同じ帯域幅でのデータレートが2倍になる。図表2のように、00,1,10,11の4つの電圧レベルのパルス信号として伝送することが可能だ。
これにより、1chの伝送速度がNRZの25Gbpsから50Gbpsに倍増。50Gbpsを8つ束ねて400Gbpsの伝送を行う。
図表2 NRZとPAM-4