「まず私ができることとして、パートナーとの連携強化をしっかりやっていきたい。サポート体制を強化し、パートナーがより販売しやすい体系を作り上げていく」
ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンは2018年6月27日、記者説明会を開催。6月16日付けで新たに代表執行役員社長に就任した谷口忠彦氏はこう挨拶した。
谷口氏は、2001年にウォッチガードに日本人初の営業として採用された人物。その後、フォーティネット、メルー・ネットワークス、TippingPointを経て、直近はデジタルガーディアンのカントリーマネージャーを務めていた。
久方ぶりの古巣復帰となった谷口氏は、「フォーティネットの初期メンバーとして立ち上げなどもやってきたが、今回はFortiGateの箱を(ウォッチガードの)“赤い箱”にひっくり返していきたい」と意気込んだ。
2018年の3つの製品戦略新体制となったウォッチガードの日本法人だが、プロダクト面でも今後、新しいテクノロジーを次々に投入していく予定だという。
米ウォッチガード本社でプロダクトマネジメント担当のシニアバイスプレジデントを務めるアンドリュー・ヤング氏は、2018年における製品テーマを3つ挙げた。
ウォッチガード・テクノロジー プロダクトマネジメント担当
シニアバイスプレジデントのアンドリュー・ヤング氏
1つめは「Security as a Service」で、セキュリティソリューションのクラウド化、マネージドサービス化をさらに推進していく。
「データ侵害の50%以上は、中小企業に対して行われている。中小企業は、セキュリティの予算も知識も十分ではなく、サイバー攻撃は非常に重篤な結果をもたらす。中小企業の60%は、サイバー攻撃を受けてから6カ月以内に倒産・廃業してしまっているというデータもある」
このため、「中小企業は、ますますサービスとしてセキュリティを提供するMSSP(Managed Security Service Provider)に頼っていく」と指摘し、ウォッチガードもセキュリティのサービス化により注力するという。
2つめのテーマは「Intelligence to the Core」だ。同社のセキュリティアプライアンス「Firebox」やクラウド上に、AI/機械学習を組み込み、防御力を一層高めていく。
そして、3つめは「Security Beyond the Perimeter」だ。「従来のようにファイアウォールの背後だけを守っていればいいわけではない。社内ネットワークの外(Perimeter)に従業員がいる場合も、保護する能力が必要になる」とヤング氏は語った。
ウォッチガードの2018年の製品戦略
こうした製品戦略のもと、ウォッチガードは最近では、クラウドベースのフィッシング攻撃対策である「DNSWatch」のリリースや、クラウド型サンドボックス「APT Blocker」とエンドポイントセキュリティ「Threat Detection and Response(TDR)」の統合などを行っている。