1つめは、Vmwareが先ごろ買収したVeloCloudのSD-WANである。なお、VeloCloudは買収後も独立した組織として引き続きソリューション開発を進め、「NSX SD-WAN by VeloCloud」の名称で提供される。
SD-WANは、専用回線に代えてブロードバンド回線を利用することでの低コスト化や、拠点での現地設定作業の省力化による運用性の向上、展開の迅速化等を実現する。また、重要なアプリケーションの通信を優先制御するなどの機能も備えていることを同氏は強調した。
VMware NSX SD-WAN by VeloCloud
2つめは、世界で4500社に採用されているネットワーク仮想化プラットフォーム「NSX Data Center」だ。最新のアップデートで、コンテナ向けの機能が追加された。Dockerをはじめ「どのようなコンテナでも使える」とアッペンツェラー氏。異なるデータセンターで稼働しているコンテナをつなぎ、かつ、エンドツーエンドのネットワーク可視化が可能という。
3つめは「NSX Cloud」。VMwareベースのプライベートクラウドで稼働するアプリケーションや、パブリッククラウド上のアプリケーションに対して、一貫したポリシーを適用し、包括的な管理・監視を可能にするソリューションだ。マルチクラウド対応を強化しており、2017年にAWSをサポートしたのに続き、2018年はMicrosoft Azure向けのコントロール機能を追加した。
4つめの「NSX Hybrid Connect」は、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドの間での相互接続と移行を可能にする。
Virtual Cloud Networkの全体像
これらのソリューションを用いることで、ユーザーは、「ほぼ、どのようなクラウドでもアプリケーションでも容易に運用・管理していくことが可能になる」とアッペンツェラー氏は語った。Virtual Cloud Networkを構成するためのこれらのVMware NSXの各コンポーネントを、横断的に運用するための管理ツールも充実させており、データセンターからWAN、拠点までのすべてのトラフィックを可視化し、運用を自動化するツールや、テンプレートを使って簡単にセットアップが行える機能などを揃えることで、運用の容易化・シンプル化を図っていくという。