新たにラインナップに追加するのは、次の3つだ。
1つは、エントリーモデルの無線LANアクセスポイント(以下「AP」)の新製品「Cisco WAP125」。IEEE802.11acに対応し、ゲストアクセスや802.1X認証、不正AP検知といった企業向けWi-Fiに必要な機能を備える。市場想定価格は「1万円と少し」(高橋氏)と、中小企業でも無理なく導入できる価格帯で投入する。
新製品「Cisco WAP125」の概要
2つ目は、クラウド管理型のネットワークソリューション「Cisco Meraki」。すでにシスコ製品として広く販売されているものだが、今後はCisco Startシリーズとしても販売する。
Merakiには、無線LANアクセスポイントやUTMなど各種のネットワーク機器があり、それらをクラウド上の管理コンソールから一元的に設定・管理が行えるのが特徴だ。高橋氏によれば、従来は「販売ルートが限られていたが、今後はすべての販売パートナーが販売できるようになった」。
3つ目は、チームコラボレーションデバイスの「Cisco Spark Board」「Cisco Spark Room kit」だ。ビデオ会議やプレゼンテーション用のデバイスで、スマートフォンやノートPCと連携して、外出先や在宅勤務を行う自宅等とつないで簡単に遠隔会議が行える。
価格については前述の通り、既存製品も含めて平均で10%程度安くする。エンドユーザー向けの値付けは販売パートナーが行うが「卸価格を見直す」(高橋氏)ことで低価格化。「Catalystスイッチは約20%も安くなる」という。
販売体制を一新し、地場SIerと市場を開拓
(3)販売体制の強化については、常務執行役員 公共・常人事業統括の大中裕士氏が説明した。
常務執行役員 公共・常人事業統括の大中裕士氏
同氏によればシスコは、「2018年度から営業体制を地割り制に変更」した。全国を7つのエリアに分けて「地場のSIerとの販売に取り組み始めた」。中小企業は一般的に、ITやネットワーク/セキュリティ製品を管理・運用する人材が不足しがちだ。「そうしたお客様が真っ先に相談するSIer」と組んで、新たな顧客を開拓する。
また、流通小売や文教、ホテル・旅館といった各種業界ごとに特化したソリューション開発と提案活動を行う組織として事業推進本部も設立。業種特化型の業務アプリケーションを開発するパートナー企業とも協業して、業務アプリからネットワーク、セキュリティまで含めたトータルソリューションを販売する。
Cisco Startの採用企業
例えば、旅館・ホテル業に対しては、無料Wi-Fiサービスを行うための無線LAN製品と合わせて、周辺の観光施設や店舗の広告をWi-Fiのユーザーに配信するソリューションを提供するといった具合だ。
「産業ごとに使われているシステムはまったく違う。パートナリングを広げて、各産業に効果のわかりやすいソリューションを提供していく」と大中氏は意気込みを語った。