“タフな無線”でドローン操縦――920/169MHz帯を活用し「見通し外飛行」も実現

操縦者から直接見通せない山やビルの向こう側でもドローンを安全に飛ばせるようにする無線技術「タフ・ワイヤレス」の開発をNICTが進めている。商用化に向けた動きも加速してきた。

今年8月、電源開発(J-POWER)は、ドローンを活用して電力設備の点検を効率化するための無線システムの研究を、情報通信研究機構(NICT)と共同で行うと発表した。

広域に設置されている送電線などの点検にドローンを活用するうえでは、電波が山や樹木に遮られる山間部などで、ドローンの操縦や状態監視をどう行うかが課題となる。

共同研究は、上空にホバリングさせた中継用ドローンを介して山の向こう側など、コントローラーの電波が直接届かない場所を飛行するドローンとの通信を可能にしようとするもの(図表1)。コントローラーと中継・点検用ドローンとの接続にはNICTが開発中のマルチホップ通信制御システム「タフ・ワイヤレス」を用いる。

J-POWERでは2019年度の導入を目指している。

図表1 電源開発が想定しているユースケース
図表1 電源開発が想定しているユースケース

タフ・ワイヤレスは、内閣府が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の「タフ・ロボティクス・チャレンジ」(災害時でも利用できるタフなロボット技術の開発プロジェクト)の一環として、2015年夏からNICTと産業技術総合研究所(産総研)が共同で取り組んできた技術だ。

「タフなロボットを実現するためには、無線通信もタフにしなくてはいけない」とNICTの三浦龍氏は話す。

情報通信研究機構(NICT) ワイヤレスネットワーク総合研究センター 上席研究員 三浦龍氏
情報通信研究機構(NICT) ワイヤレスネットワーク総合研究センター
上席研究員 三浦龍氏

月刊テレコミュニケーション2017年11月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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