総務省は2017年7月18日、今年1月から開催していた「将来のネットワークインフラに関する研究会」の報告書を公表した。
同研究会は、2020年から2030年頃までを想定して、ICTを最大限に活用する社会を支えるネットワークインフラを実現するための技術課題、推進方策等について検討を行ってきた。
「未来社会を支えるペタビット級ネットワーク」との副題が付けられた報告書では、2030年には、自動走行・遠隔医療・街中でのVR利用などの超リアルタイムサービスや、ネットワークを介した4K・8K視聴が普及していると想定。
こうした前提のもと、2030年までに求められる主な要求条件として、(1)光ファイバ1本当たりの伝送速度100Tbps超の「大容量」、(2)現在の10分の1以下の「省電力化」、(3)数ミリ秒程度の「超低遅延」、(4)サービスに合ったネットワークを迅速に提供するための「柔軟性・高弾力性」、(5)ネットワークを全体で効率的に活用するための「高効率データ流通」、(6)利用者にとって安心・安全な通信環境を実現する「安全・信頼性」を指摘している。
そして、これらの要求条件を実現するための主要技術として、光伝送、ネットワークスライシング、エッジコンピューティング、データセントリック、AIによる保守・運用を挙げた。
また、こうした将来に向けては、「光伝送技術など我が国が強みを有するネットワーク技術の研究開発・標準化を更に推進することが必要。また、オープンソースの活用については、開発コミュニティでのプレゼンスを確保できるよう取り組むことが重要」などと提言している。