京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が日本で展開する「SIGFOX」は、既に世界30カ国以上に張りめぐらされている「LPWA(Low Power Wide Area)」ネットワークだ。
LPWAの特徴は、低消費電力・広域性に加え、通信モジュールや通信料金などが低価格なこと。LPWAにもいくつか種類があるが、その中でも圧倒的な安さを誇るのがSIGFOXだとKCCSはアピールする。
SIGFOXブースでKCCSがSIGFOXパートナー向けに紹介しているのは、SIGFOXセンサーデバイス「Sens’it」や位置情報サービス「SIGFOX Geolocation」だ。
SIGFOXパートナー向けの検証用センサーデバイスまず、Sens’itは、今夏から量産する予定のセンサーデバイス。温湿度、照度、ドア開閉検知、振動検知、磁気、ボタンの6種類の機能を搭載しており、それらのデータをSIGFOXネットワークでクラウドに送信する。
KCCSがSens’itを提供する目的について、「SIGFOXパートナーが、サービス開発する際に活用してもらいたい」と説明するのは、KCCSのLPWAソリューション部責任者の大木浩氏だ。同氏によれば、まずは1年間の通信費込みで1デバイス当たり7000円を予定しているが、量産にともない将来的には2000~3000円で提供できるようにしたいという。
右側の白いデバイスが「Sens’it」 |
SIGFOXのオプションサービス「SIGFOX Geolocation」次に、位置情報サービス「SIGFOX Geolocation」は、GPSやWi-Fiなどと同様に三点測位でモノの位置を推定するサービスで、SIGFOXのオプションとして提供される。SIGFOXのネットワーク利用料に、15%を上乗せした料金で利用できるようになるという。
気になる測位精度は1.5~2kmと高くないが、利用シーンとしては、「この港に貨物がある」「あのパーキングエリアにトラックが停車している」など、大まかな位置情報の把握が想定される。もし、もう少し高精度な位置情報が必要な場合は、SIGFOX Geolocationではなく、GPSのデータをSIGFOXで送信するといった使い方になりそうだ。
SIGFOXのオプションで利用できる位置情報サービス「SIGFOX Geolocation」 |
これらのサービスの隣に並んでいたのは、SIGFOXの小型基地局「Mini Base Station」だ。屋内や地下など電波が届きにくい場所でのサービス向上のため、KCCSは今夏から秋以降、展開していこうと考えているようだ。そのほかにも、「SIGFOXパートナー向けのレンタルモデルなども検討している」と大木氏は明かす。
左にあるのが小型基地局「Mini Base Station」 |
KCCSの他にも、SIGFOXパートナー13社(アイ・サイナップ、アズビル金門、InnoComm Mobile Technology、SMK、オプテックス、旭光電機、KCCSモバイルエンジニアリング、双日、DTSインサイト、トレジャーデータ、日本電気(NEC)、日野エンジニアリング、WISOL)がSIGFOXを活用したサービスを展示しているSIGFOXブースは、来場者の熱気であふれている。
以下リンクでは、SIGFOXブースの展示を一部紹介している。
– アイ・サイナップ
– オプテックス
– KCCSモバイルエンジニアリング(KCME)
– 双日