2015年頃より、我が国でも「フィンテック(FinTech)」という言葉を、よく耳にするようになりました。
ご存知の通り、フィンテックとは「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を組み合わせた造語であり、ここでいうTechnologyとはIT技術のことです。
現在使われている「フィンテック」という言葉に明確な定義はありませんが、「金融分野における、ITを活用して新たな価値を提案するサービス」、あるいは「そのようなサービスが次々と現れる現象」を指すことが多いようです。
そして、それらサービスを提供するフィンテックの主役たちは、ほとんどがITスタートアップやベンチャーというのも特徴的な点です。
ここ数年、急激に盛り上がってきた感のあるフィンテックですが、金融業界におけるIT技術の活用は、古くは20世紀の勘定系システムに始まる長い歴史を持っています。
2000年以降でも、電子マネーやオンラインバンキング、オンライン証券など、金融とITを巡るトピックスは常に存在したにも関わらず、なぜ今、フィンテックという言葉が、従来のトピックスに比べて格段に大きく注目されているのでしょうか。
その理由は、「フィンテックとは、金融産業における革命であるから」と、私は考えています。
具体的な根拠として、以下3点が挙げられるでしょう。
1.融資、決済、送金、資産管理、投資など、金融機能のあらゆる側面で、急激かつ同時並行的に変化が起きている
2.すべてのモノやコトがインターネットに対応するIoTの金融版と捉えることができる。
3.既存の金融サービスを本質から変容させ、社会に大きなインパクトを与える可能性がある
上記1項については様々な方が言及されておりますので、本稿では、2項と3項について、考えてみたいと思います。