NTT小林常務インタビュー「IoT時代の新ネットワークを構築、BtoBtoXモデルへの転換を進める」

NTTは、BtoCモデルからBtoBtoXモデルへの移行を進めている。市場環境が大きく変化するなか、IoT時代に向けたコンセプトとして「コラボレーション・プラットフォーム」を打ち出した。その中核を担う新しいネットワーク構想が「NetroSphere」だ。小林充佳常務は「顧客最適のサービスを提供したい」と抱負を語る。

――NTTグループは持株の鵜浦博夫社長の下、“プロバイダー”から“バリューパートナー”へと歴史的な大転換を図っています。新たなステージへ向けた取り組みには「ネットワークサービスの収益力強化」も打ち出されていますが、どういう状況でしょうか。

小林 2020年の東京オリンピック・パラリンピックや地方創生を契機に、ネットワークや通信回線をベースとした従来のB2Cモデルから、我々が「触媒」となって多様なプレイヤーにネットワークなどサービスを提供するBtoBtoXモデルへと大きく舵を切ろうとしています。

その際、エンドユーザーに選ばれることはもちろんですが、「ミドルB」(BtoBtoXの真ん中のB)のサービス事業者に「NTTと組んでみよう」「NTTと一緒にビジネスを展開したい」と考えていただけるような存在になることが必要です。

そのためには、高速かつ大容量で安価なネットワークを提供するだけでは十分ではありません。そこで2015年5月に発表した「新たなステージをめざして2.0」の中で、持続的な成長に向けた取り組みの1つとして「コラボレーション・プラットフォームの強化」を盛り込みました。

――コラボレーション・プラットフォームとは、どのような概念ですか。

小林 我々は、「シームレスサービス・プラットフォーム」「セキュリティオペレーション・プラットフォーム」「ビッグデータアナリシス・プラットフォーム」という3つのプラットフォームの総称をコラボレーション・プラットフォームと呼んでいます。

NTTグループの強みは高品質なネットワークやアプリケーション、販売チャネルですが、それらを単体で持っているだけでなく、+αの付加価値も提供できることをコラボレーション・プラットフォームを通じてアピールしていこうとしています。

月刊テレコミュニケーション2016年1月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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小林充佳(こばやし・みつよし)氏

1980年3月慶應義塾大学工学部電気工学科卒業。82年3月慶應義塾大学大学院電気工学専攻修士課程修了。同年4月日本電信電話公社入社。2002年5月西日本電信電話人事部担当部長。06年6月同岡山支店長。08年7月同サービスマネジメント部長。10年6月同取締役サービスマネジメント部長。12年6月日本電信電話取締役技術企画部門長・新ビジネス推進室長兼務。同年6月エヌ・ティ・ティ・コムウェア取締役(現職)。14 年6月日本電信電話常務取締役技術企画部門長(現職)

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