ユニファイドコミュニケーション集中講義[第2回]進化する企業コミュニケーション――「端末と端末」ではなく、「人と人」をつなぐUCへ

IPTPC(IP電話普及推進センタ)の千村氏と竹井氏を講師に招き、ユニファイドコミュニケーション(UC)に関して基礎から学んでいく集中講義シリーズ。第2回は、企業コミュニケーションの変遷についてレクチャーしてもらいます。

Web2.0は企業の問題解決に画期的なツール

竹井 あとやはり大きいのが、Web2.0ですね。SNSやブログ、Twitterなどのミニブログ、WiKi、ソーシャルブックマークなどのソーシャルネットワーキングがビジネスでも活発に使われるようになってきたことは非常に大きいと考えています。

電話やメールの場合、相手ありきのコミュニケーションですが、Web2.0ツールの場合は違います。例えば、不特定の相手に対して「私はこう思う」と情報発信すると、「私はこういう情報を持っている」と返ってくる。ある問題を解決するのに最適な相手を発見できる、とても画期的なコミュニケーションツールだと考えています。

人と人がゆるやかにつながるWeb2.0ツールで自分や組織の問題解決に必要な情報を持っている人を見つけたら、さらに電話やメールなどの人と人が強くつながるツールでコミュニケーションしていく。Web2.0ツールと電話、メールなどをうまくユニファイドすることによって、必要な時に、必要な場所で、必要な相手とコミュニケーションやコラボレーションができるようになりました。

――こうして見ますと、企業のコミュニケーションシステムはずいぶんと進化してきたことがわかります。

竹井 従来のコミュニケーションシステムが「端末と端末」「番号と番号」をつなぐものだったとすれば、UCは「人と人」をうまくつなぐシステムと言うことができると思います。

千村 シンプルに言うならば、「適材適所・適時」ですかね。しかも重要なのは、比較的安価に実現できるようになったことです。以前でも、コンタクトセンターの専用システムでは同様のことが可能でしたし、また一般オフィスでも苦労してシステムをカスタマイズすればできないわけではありませんでした。ただし、例えば「何億円かかります」と。それがシステムのオープン化が進んだことで、既存システムの融合によって簡易に実現できるようになったわけです。

――コストの面から見ても、UCは現実的なソリューションになっているということですね。次回は、企業は具体的にどのような手順でUCの導入を進めていけばいいのかをテーマにしたいと思います。

[第1回] 「ユニファイドコミュニケーション」とは何ですか?
[第3回]UCはどこから着手すればいい? 費用はいくらかかる?
[第4回]広がる「日本型ユニファイドコミュニケーション」とは?

IPTPC(IP電話普及推進センタ)

IPTPCは、IP電話システム構築を実現するための知識・技術を持った技術者の育成をサポートする団体。2002年11月よりIP電話システムに関わる技術者の早期育成を目的とした「IPTPC VoIP認定技術者制度」の運営を行っており、OKI、NEC、日立製作所、岩崎通信機、富士通、パナソニック システムネットワークスの6社が参加する。現在、IPTPCの資格保有者の数は1万5000名以上

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