クラウドPBXは止まらない――[第2回]NTTコミュニケーションズ「PBXとUCの両建てで幅広いニーズに対応」

通信キャリアがクラウドPBX、クラウドUCの販売に本腰を入れている。回線・ネットワーク、端末、IaaS/SaaSなど、企業ICTの大部分を手がける強みを活かし、企業のコミュニケーション基盤をすべて巻き取る戦略だ。第2回はNTTコミュニケーションズの取り組みを紹介する。

クラウドPBX/UCに最も積極的な通信キャリアがNTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)と言えよう。対象となる企業規模と提供機能が異なっている2つのパブリック型サービスで顧客を開拓している。

Arcstar UCaaSの提供開始は3年前に遡る。これは、シスコのCUCMの機能を提供するクラウドUCであり、PBX機能を含む豊富なUC機能を備える大企業向けのサービスだ。

これに加えて2014年3月には、最大ユーザー数が500以下の中堅中小向けクラウドPBX「Arcstar Smart PBX」を開始した。PBX機能とスマートフォンの内線化に特化したサービスだ。両サービスの機能比較を図表に示した。UC 導入ニーズを持つ大企業にはUCaaSを、中堅中小企業のPBX更改やFMC 導入にはSmart PBXを提案する形で使い分けている。

図表 NTTコミュニケーションズのSmart PBXとUCaaSの比較
NTTコミュニケーションズのSmart PBXとUCaaSの比較

なお、3弾目のサービスもすでに計画されている。2015年3月に、Lyncの機能をクラウド型で提供する新サービスを開始する予定であることを10月に発表している。

これらのサービスから、顧客企業の現状や要望に合わせたものを選択し、音声回線・ネットワークと組み合わせて提供できるのが同社の強みだ。ユーザー企業にとっては、回線・ネットワークもPBXもUCも、さらにIaaSやSaaS等のIT系も含めてNTTコムのサービスを利用すれば、ICT運用管理を一元化できるメリットも生まれるわけだ。

機能強化で販売不振から好転

現在の販売状況について、ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部 UCaaS&Conferencing PT主査の藤田悠基氏は、「UCaaSの導入検討が非常に増えており、昨年度比で2.5倍に伸びている」と話す。

実はUCaaSは当初は販売不振が続き、なかなか実績が上がらなかった。好調に転じた要因は機能の改善にある。現在のUCaaSは、FMC機能やWeb電話帳、管理者やユーザーが内線・転送設定を自ら変更できる管理ポータル等の機能を備えているが、当初はそうした機能がなかった。

オンプレミス型のPBXやUCと比較すると、できないことが目立ち、豊富なUC機能を備える分、料金も割高で、PBXのリプレース提案も通らず苦しい状況だった。ハードウェアと異なり、カスタマイズが困難な点も弱点だった。

そこで、導入を検討する顧客企業のニーズを汲み取りながら機能を強化。オンプレミス型との機能差を埋めたことで、本来のクラウドの利点を存分に訴求できるようになった。「特に、導入後も機能が容易に追加できるクラウドの利点が受けている」と藤田氏。電話だけのPBXに比べてUCは機能の追加・拡張が頻繁に発生するため、拡張性の高さがより評価される傾向にあるようだ。

一方、Smart PBXのスタートダッシュは予想以上で、提供開始からまだ半年余りながら「引き合いは順調。中堅中小をターゲットに据えていたが、大手のお客様からも関心をいただいている」という。こちらは、PBX機能とFMC機能を短期間で導入し、複数拠点にもスピーディに展開できる点が評価されている。

月刊テレコミュニケーション2014年12月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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