KDDIのエリアを評価しネットワーク活用を広げる
セイハネットワークは現在、KDDI(au)からiPadを購入している。どのような経緯でKDDIを選定することになったのだろうか。
「大きな要因は、KDDIのほうが電波状況が優れていることでした」と浜元氏は説明する。
当初導入したiPadは、3G通信契約付きのセルラーモデルだった。Wi-Fi環境がなくてもiPadだけで通信できるので、どこに持って行っても使えるのがメリットだ。しかし、せっかくの通信契約を他の用途に使うことはできない。そこで次にWi-FiモデルのiPadとモバイルルーターとを組み合わることで、PCなど他の端末からもインターネット接続を利用できるようにしようと考えたのだ。モバイルルーターにはKDDIのWi-Fi WALKER DATA08Wを採用した。
最近はテザリング機能の装備により、他の機器をiPad経由でインターネットに接続できるようになったので、KDDIのiPad Airのセルラーモデルを配備している。
こうした発想の背景には、セイハネットワークの教室出店に関するあるポリシーがある。それは、できるかぎり固定回線を持たないこと。電話やインターネット回線をすべてモバイル化しておけば、回線契約や工事などの時間を省け、新たに教室を開くまでの時間を短縮できるからだ。
キャリアが変われば、当然、利用場所での電波状況も変わってくる。セイハネットワークの英会話教室の多くは、ショッピングセンター内に出店しており、携帯電話の電波状況が芳しくないことも珍しくない。そのため、電波の受信状況に関しては、かなりの検証を重ねたという。
「電波状況も問題なし。さらに営業担当者からも親身な提案があったことから、KDDIを採用することにしました」
子どもの学習意欲を引き出すiPad
教室に配布されたiPadは、子どもたちから大きな喜びをもって迎えられたそうだ。成功の背景にあるのは、セイハネットワークと凸版印刷が共同開発した子ども英会話教室向け学習アプリ「iJENC」の存在である。iJENCでは、紙では実現できなかったゲーム性を英会話学習に取り入れている。
さらに、かつては印刷して配布していたテキストやCDで配布していた音楽教材の一部も、オンラインストレージを使って共有し、iPadで活用できるようにしている。
「印刷や配布にかかっていたコストの削減効果も大きいのですが、何よりのメリットは子供の学習意欲が高まることですね。これまでの絵カードなどを使った学習と比べ、iPadは子どもたちの学習意欲を大いに刺激するようです」と浜元氏は笑みを浮かべる。
セイハネットワークと凸版印刷が共同開発した子ども向け英会話学習アプリ「iJENC」を使ってのレッスンでは、子どもたちが積極的に参加し、自分からiPadに触れて学習する姿が見られた |