4.運営は複数メンバーによる“チーム”で行う
社内SNSの運営には、それほど多くの時間や手間を要するわけではない。ただ、だからといって、1人の担当者に運営を任せるのは得策ではない。「社内SNSを運営していると、『こんなことやって意味があるのか』という人が出てきたり、いろいろな障壁に直面する。そうしたとき、1人ではなく、複数の運営メンバーがいれば、解決に向けて頑張っていける」(ソニックガーデンの藤原氏)。また、運営チームには、社内政治に強い人、ITに詳しい人を加えるといい。
セールスフォース・ドットコムの田崎純一郎氏も「各利用部門に社内SNSの推進者を置くのが勝ちパターン」と複数のチームで推進すること推奨する。各利用部門にコアとなるメンバーを配置することで、自社における社内SNSの成功パターンも共有し易くなる。
なお、ソニックガーデンの社内SNS「SKIP」のユーザー企業の場合、専任の社内SNS担当者を置いている企業はゼロ。別の業務を兼務する複数の担当者によって運営されているケースがほとんどだという。
5.経営層の承認を得たうえで社内SNSの導入を進める
社内SNSの草創期には、会社から承認を得た正式なプロジェクトとしてではなく、有志メンバーを中心にした“非公式”プロジェクトとして、ボトムアップで社内SNSの導入が進められることも多かった。
2007~2008年頃の草創期、社内SNSはおろか、SNS自体に対する認知・理解も経営層の間では十分進んでいなかった。そうしたなか、経営層に社内SNSの導入を提案しても、承認を得られる可能性は低い。草創期においては、有志でゲリラ的に導入を進めるほかなかったのだ。
しかし現在は違う。ほとんどの経営層がFacebookやTwitterなどを認知しているし、社内SNSについても理解している経営層もいるだろう。社内SNSの導入に失敗する企業の共通点として「導入目的があいまい」であることを前回挙げたが、明確に導入目的が説明できるのなら、経営層の承認を得られないということはないはずだ。
どんなプロジェクトにせよ、経営層のコミットメントは成功の強い後ろ盾になる。SNSへの認知・理解が進んだ現在においては、経営トップの支持を最初から取り付けるべきであるし、トップが社内SNSでの自由闊達な議論を奨励することで、さらに成功に近づけることができる。