A10 CEO「高性能ハードとAIセキュリティ強化に投資」

ハードウェアを活かしたAIセキュリティの提供――。ADC/ロードバランサー大手のA10ネットワークスの最新戦略だ。「AI Firewall」はハードウェアアプライアンスに推論用チップや独自チューニングしたLLMを搭載するというアプローチで高性能・低遅延なAIガードレールを実現する。合わせて、APIセキュリティ、ローカルブレイクアウト、DDoS攻撃対策にも注力する。

A10ネットワークスは2025年11月21日、年次イベント「A10 Connect 2025」開催に合わせてメディアラウンドテーブルを開催した。

同社はADC/ロードバランサーを中心に「安全で可用性が高く、効率的なビジネスクリティカルネットワークの実現」をミッションに掲げているが、米本社社長 兼 CEOのドゥルパド・トリベディ氏は、2025年以降は「AIで変化する市場でリーダーシップを取るフェーズに入った」と述べた。同社はこれを「AIイニシアティブ」と呼び、高性能ハードウェアとサイバーセキュリティの強化に投資する方針を示した。

米A10ネットワークス 社長兼CEOのドゥルパド・トリベディ氏

米A10ネットワークス 社長 兼 CEOのドゥルパド・トリベディ氏

ハードウェアで高性能・低遅延のAIセキュリティ実現

A10が注力する製品カテゴリは大きく4つある。

1つめは、AI Firewallだ。2025年6月のInterop Tokyoで発表した生成AIを安全に利用するためのセキュリティソリューションで、現在パートナーであるSCSK、NECとともにPoC(概念実証)を進めている。ハードウェアアプライアンス「A10 Thunder」に推論用チップと独自にチューニングしたLLM(大規模言語モデル)を搭載し、AI利用時のインプット/アウトプット双方のガードレールを実現するのが特徴だ。

A10ネットワークス が2025年6月に発表した「AI Firewall」を紹介するスライド。生成AIを安全に利用するためのセキュリティソリューションとして、独自チューニングの生成AI搭載、全プロンプトと応答の検証・フィルタリング、AIモデルとユーザーの双方保護、アプリ負荷分散機能、企業向けプロキシ機能などが記載されている。Thunder 1060 アプライアンスの画像も掲載。

アプライアンスに推論用チップと独自チューニングのLLMを搭載し「AI Firewall」を提供

ビジネス開発本部長 兼 エバンジェリストの高木真吾氏によれば、専用アプライアンスに最適化したLLMにより高精度の判定ができ、遅延を抑えながら防御できるという。また、ThunderのADC/プロキシ機能をそのまま利用できるため、既存ネットワークに組み込みやすい点も利点だ。

一般発売は2026年6月を予定している。

A10ネットワークス ビジネス開発本部長 兼 エバンジェリストの高木真吾氏

A10ネットワークス ビジネス開発本部長 兼 エバンジェリストの高木真吾氏

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