IIJエンジニアリング(IIJ-EG)とハイテクインターは2025年11月21日、低軌道(LEO)衛星通信サービス「Starlink」を活用し、建機を遠隔操縦する実証デモをメディア向けに公開した。
今回の実証デモでは、茨城・つくば市の研究施設「建設DX実験フィールド」に配置した1台の建機を、約60km離れた東京・神田のIIJ-EG本社から、可搬型の衛星インターネット端末「Starlink mini」を活用して遠隔操縦。リアルタイムに建機を操作できることを確認した。

実証で利用したStarlink端末
冗長構成で高信頼ネットワークを構築
ハイテクインター 専務取締役 CTOの中島康之氏によれば、建機のリアルタイム遠隔操縦を実現するため、同社とIIJ-EGが開発した3つの技術・ソリューションを活用しているという。
1つめが、IIJが提供する「マルチアクセスソリューション」で、モバイルや衛星通信などの複数回線の中から最適な経路を自動識別するものだ。
今回の実証では、「つくば側には2台のStarlink miniを設置し、神田側ではフレッツ光とフレッツ光クロスを物理的に異なる回線として引き込む冗長構成を取った」(IIJ-EGの米田雅貴氏)。これにより、映像伝送に不可欠な高信頼かつ安定したネットワークを構築できたという。
また、ゲートウェイルーター・Peplink B One 5Gに搭載されたSpeedFusion VPN(複数回線をまとめて仮想的に1本の回線として扱う技術)の機能群の1つである「WAN Smoothing」を活用。「複数のVPNパスを張って、同じパケットを並行して送ることで、受信側で最良のパケットを選択しながらルーティングできる」(米田氏)という。













