NECは2013年11月11日、クラウドサービスとの連携機能を持つ小型ロボット「PaPeRo petit(パペロ プティ)」を活用した新事業のパートナー企業募集を開始したと発表した。
クラウド連携機能を持つ小型ロボット「PaPeRo petit(パペロ プティ)」(左)。NEC執行役員の保坂岳深氏は、「今後3年間で売上100億円規模の事業に展開したい」と話す |
PaPeRo petitは、各種センサーを搭載し家庭向けに小型化したロボット。NECのM2M/ビッグデータ基盤である「CONNEXIVE(コネクシブ)」上のクラウド連携型ロボットプラットフォームとともに提供される。このプラットフォームとPaPeRo petitを活用するアプリケーションの開発パートナー、および、実際のサービス提供を行うビジネスパートナーを募る。
ロボットプラットフォームの仕組み |
PaPeRo petitは、人やモノの情報を収集してクラウド上のプラットフォームに送るデバイスとして動作する。音声や顔画像などを送信し、クラウド側で音声認識や画像認識等を行い、その結果としてPaPeRo petitが音声を発したり、ジェスチャーを行わせるといったことができる。ロボットプラットフォームには、PaPeRo petitのコントロール機能のほか、各種の管理機能も用意されている。
ロボットプラットフォームの構成と機能 |
想定される用途としては、高齢者や子供、ペットの見守りサービス、防犯(PaPeRo petitが不審な侵入者を検知)などがある。単に、センサー情報や画像を送信するだけでなく、警備業務と連携するといった多様なサービスを広げていきたい考えだ。医療機関との連携例では、PaPeRo petitが収集したライフログを送信したり、通院の予約確認を行ったりといった活用も考えられるという。
パートナープログラムは、アプリケーションパートナーとビジネスパートナーのそれぞれに用意する。アプリケーションパートナー向けには、ロボットプラットフォームのAPI開示など、開発環境を提供するほか、共同マーケティング、アプリマーケットによる販売などを実施する。ビジネスパートナーには、アプリケーションサービスとロボットの提供のほか、新規サービス企画やアプリケーションのマッチング、実証実験のサポート等を行う。
パートナー連携によるビジネススキーム |
NECでロボット事業を担当する執行役員の保坂岳深氏は、「3年間で売上100億円規模の事業に育てたい」と展望を示した。ロボットの提供価格は月額1万円程度を予定しており、「全国に約10万台のPaPeRo petitを展開する規模まで事業を広げていきたい」と意気込みを語った。