「AIデバイスはネットワーク要件を変える」ノキア フェローが5G収益化・AI・6Gを解説

ノキアが10月8日に開催したプライベートイベント「Amplify Japan 2025」で、ノキア フェロー 特別研究員のハリー・ホルマー氏が「AIコネクティビティのための超高効率ネットワーク」と題して基調講演を行った。同氏によると、AIデバイスの普及は、モバイルネットワークの要件にも影響を与える。具体的には、アップリンクの重要性が大きく高まる。

AIデバイス普及で「アップリンク」の重要性高まる

5G収益の最大化に貢献するアーキテクチャ変更の2位~4位は、AI関連である。

2位はAI-on-RAN(AIアプリケーション)、3位はAI-and-RAN(エッジコンピューティング)、4位はAI主導のプロビジョニングと分析だが、AIデバイスの動向も注視する必要がある。

「AIがデバイスに統合されている」。ホルマー氏はメタのスマートグラスなどを例にAIデバイスの最新動向を紹介したうえで、AIデバイスは「ネットワークの要件にも影響を及ぼす」と語った。

「現状、ダウンリンク(下り)はアップリンク(上り)の10倍あるが、これが変わってきている。AIデバイスはより多くのコンテンツを生み出すため、アップリンクの重要性はさらに増していく」

ノキアラボでの測定によると、シーン認識、画像編集といったAIのユースケースでは、アップリンクのデータ使用量がダウンリンクを大きく上回る。

AIデバイスは、モバイルネットワークのアップリンクの重要性を高めるという

AIデバイスは、モバイルネットワークにおけるアップリンクの重要性を高めるという

6Gデバイスのエネルギー効率は最大10倍

AI時代に本格的に突入していく中、通信業界では6Gの標準化がスタートしている。「6Gの仕様は2028年12月に凍結する予定だ。2029年末から2030年頃の商用化が見込まれている」

5Gの10倍の100Gbpsのデータレート、AI統合による無線効率の向上、単一のシンプルなアーキテクチャなどを目標に、6Gの標準化作業が行われているというが、ホルマー氏が強調した点の1つはデバイスの消費電力である。5Gの最大10倍のエネルギー効率が目指されているという。

また、無線通信の電波をセンシングにも活用するISAC(Integrated Sensing and Communication)についても同氏は触れ、ドローンの識別、産業設備のモニタリング、気象観測等の環境モニタリングといったユースケースを挙げた。

標準化作業が始まった6Gが目指している仕様

標準化作業が始まった6Gが今目指している姿

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