ソフトバンクが描くスマートビル戦略 新たなまちづくりを牽引する“3つの優位性”

ソフトバンクが、竹芝エリアで培ってきたスマートビルの知見をもとに、渋谷エリアへと展開を進める。子会社のSynapSparkをはじめとするグループ各社のアセットを活用した“総合力”で新たな価値創出に挑む。

(左から)SynapSpark 代表取締役社長 兼 CEO 沼田周氏、ソフトバンク 事業開発本部 スマートシティ事業統括部 統括部長 関治氏

(左から)SynapSpark 代表取締役社長 兼 CEO 沼田周氏
ソフトバンク 事業開発本部 スマートシティ事業統括部 統括部長 関治氏

――日本のビルが抱える課題には、どんなものがありますか。

沼田 ビルが“クラウドレディ”ではない──。そこに根本的な問題があります。Microsoft Azureが登場したのは2008年ですが、多くのビルはそれ以前の設計思想のままで、クラウドやインターネットに接続できない構造になっています。その結果、オペレーションコスト削減のためにロボットなどの新サービスを導入しようとしても、既存のビルには適用できないケースが少なくありません。

 他の産業分野ではインフラの最新化が当たり前になっている一方で、ビルには古い設備が多く残っています。ビルは一度建てられると、少なくとも10~15年は大規模な改修が行われないためです。こうしたボトルネックを解消し、ビルを高付加価値化していくため、ソフトバンクとしてスマートビルに取り組んでいます。

――スマートビル市場の現状について、どう見ていますか。

 スマートビルという言葉自体は10年ほど前から使われていますが、その定義は曖昧で、プレイヤーごとに解釈が異なるのが実情でした。そこで、ビルを構成する設備やシステム、そして各社が個別に進めてきたスマートビルの取り組みを統一化・標準化することを目的に、「スマートビルディング共創機構」という業界団体が2025年4月に立ち上がりました。

現時点で100以上の企業・団体が参画しており、ソフトバンクも中心メンバーとして活動しています。今後は、この団体で定めるアーキテクチャに準拠してビルが建設されていく見込みで、2025年は“スマートビル元年”と言えます。

――ソフトバンクは2023年12月に日建設計との合弁会社「SynapSpark」(シナプスパーク)を設立し、スマートビルの設計支援・コンサルティングも行っています。

沼田 スマートビル市場を変えていくために、ソフトバンクでは以前から草の根的な活動を進めてきました。ただ、ソフトバンクが「スマートビルをやりましょう」と提案しても、それはあくまで単発の取り組みに過ぎません。そこで、創業125年の歴史を持つ日建設計に「スマートビルの時代が来る」と呼びかけてもらうことで、市場全体を動かす大きな原動力になるのではないかと考えました。

現在のビジネス状況は好調で、コンサル段階から3~4年で具体化する案件も多く、まだ公表できないプロジェクトも少なくありませんが、すでに多くの企業からご相談をいただいています。

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