ドコモビジネスが自動運転向け「通信安定化ソリューション」、無線品質予測に基づきマルチパス制御

NTTドコモビジネスが、自動運転レベル4の遠隔監視での利用を想定した「通信安定化ソリューション」の提供を開始した。自動運転バス等の移動に伴う無線通信品質の変化を先回りして予測。複数キャリアの回線を併用し、状況に応じて使い分けることで遠隔監視用映像の低遅延伝送を実現。将来的には建設機械やロボット等の遠隔操作、自動化への適用も目指す。

機械学習で無線品質を予測してマルチパス制御

3つの技術の特徴は、以下の通りだ。

(1)Cradioは、周辺環境やユーザーの要求、電波状態に応じた無線ネットワークの品質を予測する技術だ。

同ソリューションでは、ドコモを含む複数キャリアの回線を併用して通信品質を担保することを想定しており、Cradioを使って自動運転車が向かう先の各回線の品質を機械学習で予測する。

(2)協調型インフラ基盤は、Cradioの予測に基づいて複数の回線を制御して通信する「マルチパス通信制御」を行う。複数の回線を束ねて広帯域化することで大容量の車載カメラ映像を伝送するほか、ある回線の通信が途絶したり、大幅に品質が劣化した場合には、他の回線に振り分けて品質を維持する。

協調インフラ基盤のイメージ

協調型インフラ基盤によるマルチパス通信制御のイメージ

遠隔監視者が利用するデータは車載カメラの映像に加えて、車両情報やマイク音声、GPS情報など多岐にわたる。形式の異なるそれら複数のデータをまとめてリアルタイムに伝送するのが(3)データ伝送機能だ。これは、aptpod社が提供しているIoTデータ伝送プラットフォーム「intdash」を活用する。

本ソリューションを適用した場合(左)と適用しない場合の比較

これら3つの技術をパッケージ化した通信安定化ソリューションは当初、バス事業者などの地域交通事業者をターゲットに提供するが、ドコモビジネスでは活用範囲の拡大も目指す。多良氏は「自動運転に限らず、建設機械やロボットなど、移動しながら通信を必要とする他のユースケースにも適用できる」と展望を述べた。

ユースケースの拡大

自動運転バス以外の分野にもユースケースの拡大を目指す

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