まるでWi-Fiのように簡単に設置、運用できる――。ローカル5Gの導入障壁を取り除くことを目的に開発されたAtaya社のソリューションを取り扱う丸文。ワイヤレスジャパン×WTP 2025の同社ブースのテーマの1つが、「ローカル5G×Wi-Fiの共存」だ。
ローカル5GとWi-Fiの共存を提案する丸文ブース
キャリアグレードの通信性能や信頼性が特徴のローカル5Gと、導入・運用が容易な手軽さが売りのWi-Fiは、ともに自営無線システムの有力な選択肢となる。ただし、無線通信システムのユースケースとニーズが多様化するなか、どちらか一方ですべてを満たすことは難しい。企業は用途や目的に応じてローカル5GとWi-Fiを使い分けることが肝要だ。
丸文のブースでは、それを実現するための各種ソリューションを紹介している。「共存」は、ローカル5G基地局やWi-Fiアクセスポイントといった無線機を揃えるだけでは達成できない。導入前の無線シミュレーションや置局設計、そして稼働後の運用管理に至るまで、両システムをいかに統合できるかが鍵になる。
“オールインワン”のローカル5Gに、Wi-Fi の管理も統合
Ataya社のローカル5Gソリューションの最大の特徴と言えるのが、冒頭にも述べた導入の容易性だ。
Ataya社の一体型ローカル5G基地局
UPF(データプレーン通信の処理機能)を一体化した基地局装置「Chorus AP」と、5Gコア、クラウド型管理プラットフォームをセットにした構成で提供。導入現場でChorus APをネットワークに接続すれば、クラウド上のコア機能と自動的に連携して、すぐに使い始めることができる。
加えて、ローカル5Gコア兼管理プラットフォームである「Ataya Harmony」は、ユニバーサル接続に対応。つまり、Wi-Fiネットワークも一元管理が可能だ。既存の社内Wi-Fiがある場合はそれも、ローカル5Gシステムと合わせて運用管理できる。
Ataya社の管理プラットフォーム「Harmony」
無線シミュレーションも「5G+Wi-Fi 7」で
導入前に不可欠な無線シミュレーションも、ローカル5GとWi-Fiを別々に実施するのは大変だ。丸文が取り扱うRanplan社の無線伝搬シミュレーションツールなら、5GとWi-Fiのどちらにも対応。最新規格のWi-Fi 7もサポートしている。
また、建物の形状・構造、設備、仕様等の様々な情報を3次元で表現するIFC(Industry Foundation Classes)フォーマットにも対応。IFCは世界で広く使われているCADデータモデルであり、ローカル5GやWi-Fi 7の利用ニーズが高い工場におけるデータ共有にも使われている。
丸文では、この無線伝搬シミュレーションツールを活用した「無線エリア設計 伴走サービス」も手掛けることで、ローカル5G×Wi-Fiの共存を後押ししている。
同社ブースではこれだけでなく、5GとWi-Fiの両方に対応したエリア品質測定器やテスター、NTN(非地上系ネットワーク)の無線品質モニタリング、さらにはGNSS脆弱性対策や高精度時刻同期など、様々な製品/ソリューションが満載。自営無線だけでなく、衛星通信や高精度測位、時刻同期に興味のある方も必見だ。