Web会議を活用した遠隔授業――大阪府立高校が日本マイクロソフトと連携して開始

大阪府教育委員会は、日本マイクロソフトと連携してWeb会議を利用した遠隔教育をスタートさせる。病気や怪我などで登校が困難な学習意欲の高い生徒を、ICTの力を活用してサポートする。

大阪府教育委員会は、病気や怪我などで自宅療養・長期入院している府立高校の生徒を対象に、遠隔授業サポートシステムの提供を始める。2013年3月27日に行われた記者会見で、「学びたいという気持ちを持った生徒たちに、きちんと応えてあげたい」と大阪府教育委員会の陰山英男委員長は遠隔授業の開始理由について説明した。

遠隔授業サポートシステムの利用イメージ
遠隔授業サポートシステムの利用イメージ

Lync Onlineを活用

大阪府教育委員会が提供する遠隔授業サポートシステムは、日本マイクロソフトのクラウド型ユニファイドコミュニケーション(UC)サービス「Microsoft Lync Online」のWeb会議機能を活用したものだ。教室にPCとWebカメラ、マイクスピーカーを設置。遠隔にいる生徒は、Web会議を通じて授業に参加できる。Web会議なので、遠隔にいる生徒が教師に質問することなども可能だ。

Lync Onlineを活用した遠隔授業

大阪府教育委員会と日本マイクロソフトは、病気で登校が困難な生徒の要望を受けて、2012年9月から府内の高校で同システムの試験導入と検証を行ってきたが、成果が認められたことから広く展開していくことを決めた。

検証に参加した生徒は、療養中も継続して学習できたことで卒業資格を無事に取得。また、学習面だけでなく、「教室にいる生徒が休み時間や放課後などにコミュニケーションを取ることで、生きる勇気が出たという報告も受けている」(大阪府教育委員会の中西正人教育長)という。

「遠隔授業で教育を変えていく」

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター統括本部 文教本部長の中川哲氏は、この遠隔授業サポートシステムの特徴について「追加の投資はほとんど必要なく、学校にすでにあるPCやインターネット接続環境を使って実現できる」点を強調した。Lync Onlineはクラウドサービスのため、校内などにサーバーを立てる必要もない。また、Lync OnlineはOffice 365の1サービスとして提供されているが、日本マイクロソフトが教育機関向けに無償提供しているOffice 365 Educationを活用することで利用料も不要だ。

遠隔授業
検証ではこのように三脚にWebカメラを設置して遠隔授業を行った

さらに、遠隔授業サポートシステムの環境設定や運用ノウハウなどをまとめたマニュアルも作成しており、現場の担当者はこのマニュアルを参考にすることで、容易に利用できるという。マニュアルはWeb上で一般公開されており、大阪府以外の教育機関などでも自由に閲覧・活用できる。

大阪府教育委員会では、この取り組みを皮切りに、遠隔授業のさらなる発展を進めていきたい考え。

「今回は病気や怪我の生徒を想定しているが、これはきわめて普遍性を持つ仕組み。不登校の生徒に適用すればどうか、他の学校の生徒がその授業を受けられるようにしたらどうか、リアルタイムではなく録画したらどうなるか……。こういったことを考えていくと、ネット授業というのは時間・空間を超えて学びの場を広げていくシステムになる。教育制度を変えていく道を開いたと思う」と陰山氏は意欲を語った。

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