落合陽一氏が考える、ASIと人のインタラクション
PxTDが提案するコンセプトモデル「コンポーザーとグルーバー」とはどういうものか。同社の落合氏は、超知能AI(ASI)時代の人とAI・ロボットのインタラクションを想定したコンセプトとしてこれを紹介した。簡単に言えば、人間がAIに対して考え方を伝えたり、そのフィードバックを受け取るためのUIである。
コンポーザーとグルーバーについて説明する
ピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)代表取締役の落合陽一氏
このUIは名前の通り、コンポーザーとグルーバーという2つの組み合わせから成る。落合氏は「ダイレクト・マニピュレーション(直接操作)と、エージェント(知的助手)という2つのUIを組み合わせた」と説明した。
コンポーザーは、ホワイトボードのようにテキストや図形、スケッチを書いたり、声で説明したりした内容をAIが認識し、人の思考をサポートするUIである。対話・描画した内容に対して、AIがリアルタイムに関連知識を提示したりすることで、人の思考プロセスを支援する。
思考を補助するマルチモーダルUI「コンポーザー」
その傍らにある「グルーバー」は、猫のような外見を持つロボティック・インターフェースだ。グルーバー自体が体を動かしたり、人が触れたりすることで、AIとのコミュニケーションを活性化する狙いがある。物理的な実体としてユーザーに働きかけることで、ディスプレイやスマートフォンを使用する場合とは異なる、AIと人の交流を促すという。
身体的リズムのロボティック・インターフェース「グルーバー」
こうした人とAIのインタラクションでは非常に多くの情報を伝送する必要があり、現状の5Gでは通信容量が不足する。また、落合氏は「遅延も重要」と指摘。「AIと対話したそばから、対話した内容が文字起こしされ、生成AIが即座に関連画像を描画したりする。複数のものが高速に絡み合う必要があり、ダイレクト・マニピュレーションとエージェントの両方を使おうとすると、5Gでは足りない」とし、それを超える性能を持つ6Gへの期待を語った。