導入から運用までスマート化 CSIによるセンシングも実装
ファーウェイのWi-Fi 7製品の強みは、こうした通信性能に留まらない。
例えば導入時のエリア設計支援だ。最適なAP配置には本来、現地での綿密な調査が必要で、時間やコストの負担が大きい。そこでファーウェイは、AIによる自動設計支援ツール「WLAN Planner」を無償で提供している。建物の図面や端末密度、壁材といった情報を入力するだけで、必要なAP台数と設置位置を即時に算出。「高精度なシミュレーションにより、機材費よりも高くつくことの多い工事費を大幅に削減できます」と陶氏は説明する。
また、省エネ性能も優れる。大企業ではAPを数百台から数千台、時には数万台を導入するケースもあり、高機能化に伴うWi-Fi APの消費電力の増大による電気代の増加は、Wi-Fi 7導入時の課題の1つとなっている。
ファーウェイのAPは、AIによる省エネ制御機能「グリーンキャンパス」を実装しており、人の不在を検知すると自動的に電波出力を抑制する。消費電力を可視化する管理プラットフォームと合わせ、最大30%の電力削減を実現しているという。
このように、導入から運用に至るまで「スマート化」を果たしているファーウェイのWi-Fi 7対応APだが、もう1つ特徴的な機能がある。それがCSI(Channel State Information)技術によるセンシング機能だ。
CSI技術では、Wi-Fi電波が人の体にぶつかる際のわずかな揺らぎを検出し、その存在をリアルタイムで把握できる。従来は専用センサーや複数のAPが必要とされたこの技術を、ファーウェイはAP1台で実現している。
CSIを活用することで、部屋に人がいるかどうかを検知できるだけでなく、呼吸のリズムを感知できるため安否確認も可能だという。
すでに中国国内のホテルやオフィスビルではセンシング機能の採用が進んでおり、空調や照明の自動制御、無断侵入の検知などに活用されている。加えて、日本市場でも高齢者の見守りなどでの応用が期待されており、監視カメラが設置しにくいプライバシー性の高いエリアでの活用が見込まれる。
このように通信性能に加え、運用面の機能も充実しているのがファーウェイの特長だ。これらの技術を搭載したWi-Fi 7対応APは、用途や規模に応じて選択肢も豊富に揃える(図表2)。
図表2 Huawei Wi-Fi 7製品ポートフォリオ
屋内向けフラッグシップ機「AirEngine 8771-X1T」は最大18.67Gbpsに対応し、スマートアンテナや10Gアップリンクを搭載。中規模向けの「AirEngine 6776-57T」や「AirEngine 5776-26」は設置性と機能性を両立し、限られたスペースでも導入しやすい。耐候性に優れた屋外対応モデルもラインナップする。
先進機能を満載したファーウェイのWi-Fi 7対応APが、企業の無線ネットワークを次のステージに引き上げる。
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