2025年3月3日から6日までスペイン・バルセロナで通信関連イベント「MWC Barcelona 2025」が開催された。主催団体のGSM Assosiation(GSMA)によると今年の来場者数は10万9000人となり、新型コロナウィルス前の最大来場者数を記録した2019年に並んだ。業界はパンデミックの影響から脱却し、次の成長を目指して前進している。
イベントのテーマは「Converge(融合)、Connect(連結)、Create(創造)」。出展企業数は2700社以上となり前年と横ばいだったが、ネットワークやデバイスの分野にAIの融合が加速化し、通信業界以外からの参加も増えた。Open RANやCloud RANといったネットワークのオープン化/汎用化の流れの中で、インテル、デル、マイクロソフト、グーグルクラウドなどが出展内容を拡大した。
ネットワークのOpen化が拡大
京セラはインド、韓国、台湾の通信ベンダー6社と「O-RU Alliance」の設立を発表した。狙いはOpen RANの通信事業者への導入支援だ。同社のCU/DU(Central Unit/Distributed Unit)を参画企業に開放し、RU(Radio Unit)との互換性を確保した通信システムとして売り込む。京セラのMWCへの参加は9年ぶりだが、最先端のネットワーク技術に関連した事業でもあり、注目度は高い。
Open RAN関連の展示はこのほか、インフラベンダーや通信事業者のブースでは当たり前のように行われていた。エリクソンブースには、富士通製RUと同社CU/DUを統合した機器が展示されるなど、O-RAN ALLIANCE準拠によるマルチベンダー化の導入事例も見られた。
インテルはXeon 6を搭載したネットワークインフラのデモとして、5Gのバーチャルネットワークコアについて説明。サムスンとの協業では、ネットワークパフォーマンスとエネルギー効率の向上に加えて、RAN全体のAI化も進める。韓国SKテレコムも同システムの導入をテストしている。また、インテルはHPEやノキアともCloud RANソリューションを開発中だ。