「曖昧さはコラボレーションの敵」、シスコが明かす組織の力を引き出す10のステップ

シスコシステムズが開催中のイベント「Cisco Connect」。初日の基調講演「コラボレーション革命~あなたの組織の力を引き出す10のステップ」の模様をレポートする。

シスコシステムズが今日から2日間(2月13日~14日)、プライベートイベント「Cisco Connect」を開催している。

「つなげよう、明日を」というキャッチフレーズが添えられた同イベントには、次の3つのキーテーマが設定されている。「働き方の変革」「多様なクラウドがつながる世界」「インターネットですべてをつなぐ」だ。会場ではこれら3つのテーマに即した講演と展示が行われているが、初日の基調講演テーマとなったのは1番目の「働き方の変革」である。「コラボレーション革命~あなたの組織の力を引き出す10のステップ」と題して、米本社のエグゼクティブ2人、カール・ウィージ氏とロン・リッチ氏が講演した。

ウィージ氏は米本社のシニアバイスプレジデントでコラボレーション事業の総責任者。一方のリッチ氏は、シスコ社内の変革を主に担当してきた人物だが、2人はある本の共著者でもある。その本のタイトルは『THE COLLABORATION IMPERATIVE』。この2月、今回の基調講演と同じタイトルで日経BP社から日本語版が出版された。講演では、同著のエッセンスが紹介された。

カール・ウィージ氏とロン・リッチ氏
米シスコシステムズ シニアバイスプレジデント グローバルコラボレーションセールス担当のカール・ウィージ氏(左)と、同バイスプレジデント エグゼクティブ&カスタマーエンゲージメント担当のロン・リッチ氏

グローバル化で1つになった市場に、4つのテクノロジーで対応

シスコは長年にわたりコラボレーションの価値を説き続けてきたが、残念ながら日本の経営者に十分理解されているとは言いがたい。

なぜ今、働き方を変革してコラボレーションを強化する必要があるかといえば、それは「世界中で大変な変化が起きている」からだとウィージ氏は理由を挙げる。例えばグローバル化の進展だ。「米国最大の自動車市場であるカリフォルニア州で一番売れた車はプリウスだ。また、資生堂の売上の半分は日本国外だという。つまり市場はただ1つ――グローバルマーケットしかないということだ」。市場、すなわち顧客が劇的に変化しているのだから、企業の側も変わらければならないというわけである。

また、テクノロジー的には、モバイル、ソーシャル、ビデオ、クラウドの4つがこのコラボレーション革命を牽引していくという。「例えばビデオは、時間と距離をなきものにすることができる」(ウィージ氏)。

コラボレーション革命を牽引する4つのテクノロジー
コラボレーション革命を牽引する4つのテクノロジー

「誰が意思決定者で責任を担うのか」、企業文化を変えることの重要性

ただ、企業からすれば、テクノロジーは一番の課題ではない。また、コラボレーションを改革する必要性を感じていないわけでもないだろう。問題は、どうすれば本当にコラボレーションを強化できるのか――その具体策が分からないことだ。

リッチ氏も、「テクノロジーは確かにコラボレーションの基盤にはなるが、テクノロジーですべての問題を解決できるというのは誤解である。カルチャーとプロセスを融合していくことが重要だ」と語る。単にユニファイドコミュニケーション(UC)やビデオ会議などのテクノロジーを取り入れるだけではなく、同時に意思決定プロセスや社員の評価制度、企業ビジョンの共有の仕方なども変えていく必要があるということだ。そのためには経営トップの強いリーダーシップが不可欠となるが、基調講演に続いて行われた記者会見では、この点をリッチ氏がさらに突っ込んで説明した。その肝は、「曖昧さをなくすこと」である。

リッチ氏が示したトップが社員を導くために為すべき5つの手法
リッチ氏が示したトップが社員を導くために為すべき5つの手法

リッチ氏によると、誰が意思決定者で責任を担うのか、どのような方法で意思決定をしたのか、自社にとって成功とは具体的にどう定義されるのかなどを、明確にすることがコラボレーションを加速させるためのカギになるという。例えばシスコでは、6カテゴリ・合計29のKPI(重要業績評価指標)に分類して設定しており、何が会社としての優先事項なのかが明快になっているそうだ。

意思決定者が不明確では、スピード感は失われる。KPIが不明確では、自社の成長のため、何に優先的に取り組むべきかを個々の社員が判断できない。「曖昧さはコラボレーションの敵」というのがシスコの結論である。

「曖昧さ」はしばしば日本型組織の特徴として指摘されてきた。UCをはじめとするコラボレーションソリューションは日本企業に本格的に普及するのか、日本企業は今後グローバル市場で飛躍できるのか――。これらの問いの答えは、日本企業が「曖昧さ」をなくしていけるのかどうかにかかっているのかもしれない。

ちなみに、ウィージ氏が基調講演の最後に引用したのは、ピーター・ドラッカーの次の言葉である。「重要だが非常に難しいことは、過去を守るのではなく、捨てることである」

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