「Best of Googleな製品作りを目指す」 モトローラ・モビリティ・ジャパン鈴木社長

モトローラ・モビリティ・ジャパンのスマートフォン「Motorola RAZR M 201M」が2012年10月、ソフトバンクモバイルから発売された。グーグル傘下での製品開発や日本市場への取り組みを鈴木社長に聞いた。

――2012年5月、モトローラ・モビリティはグーグル傘下に入りました。事業戦略にどのような変化がありましたか。

鈴木 グーグルによる買収後に社内で大規模な事業構造の改革を行った結果、ハイエンド端末に機種を絞り、LTE市場に向けて展開する方針に変更しました。

これまで国や通信キャリアごとのニーズに合わせてさまざまな製品を供給してきた結果、安価なフィーチャーフォンからハイエンドのスマートフォン「Droid(ドロイド)」シリーズまで、ポートフォリオが増大していました。今後は機種数を絞り、特定のマーケットに集中していきます。

――グーグル傘下になってAndroidの製品開発におけるメリットはありますか。

鈴木 基本的にAndroidはオープンなシステムなので、モトローラ・モビリティが優先的に情報を提供されたり、特別扱いを受けるようなことはありません。実際、グーグルのグローバルモデル「Nexus」シリーズの最新機種もLGエレクトロニクスやサムスン電子、ASUSが手がけています。

とはいえ、我々としてはグーグルの傘下に入ったことで、グーグルのサービスが活きる端末、つまり“Best of Google”をいち早くお客様に届けることができるような商品開発を目指したいと考えています。

――グーグルによる買収は、日本市場における端末事業にも影響を及ぼしているのではありませんか。

鈴木 もちろん、以前とはかなり変わってきています。明確に言えるのは、日本市場に関しては非常によい方向に向かっているということです。

先ほどのハイエンドとLTEという2つの条件を満たす国は世界中で決して多くありませんが、日本はどちらもあてはまります。その意味で、日本は新生モトローラ・モビリティが目指すべき市場の1つといえます。

――端末メーカーは通信キャリアの要求に応じた端末を供給することが求められますが、そうした方向性とは一線を画すことになるのですか。

鈴木 各国の通信キャリアを通じて製品を販売させていただいている以上、各社の要求に応えることは必要です。

ただ、グーグルはこれまで、コンシューマーが何を望んでいるかに徹底的にフォーカスする「コンシューマー第一主義」で成功してきました。我々もグーグルにならい、コンシューマーを最優先に考えた製品を展開していくつもりです。

月刊テレコミュニケーション2012年12月号から転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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鈴木寛(すずき・ひろし)氏

日本IBM、ノーザンテレコムジャパン(ノーテルネットワークス)、日本エリクソンなどを経て2003年4月にモトローラ入社。2010年7月モトローラ・モビリティ・ジャパンに移籍し、代表取締役社長兼ホームビジネス事業部長に就任。2011年7月、代表取締役社長兼モバイルデバイス事業部長に就任

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