NTTPCコミュニケーションズとみずほリサーチ&テクノロジーズは2025年2月3日、教員の働きがい向上に向けてバイタルデータを活用した実証実験を開始したことを発表した。
実証実験のイメージ
教員の多忙化が社会問題化するなか、学校現場において教員の労働時間の把握、削減に向けた取り組みが進んでいる。その一方で、教員が高い専門性を発揮し、持続可能な学校指導・運営体制を構築するためには、教員の働きがい・やりがい(エンゲージメント)に着目したアプローチが不可欠であるという。
そこで両社は、埼玉県・幸手市教育委員会と連携し、教員の働きがいを把握する手法を検証するための実証実験に着手した。
具体的には、幸手市内の学校教員100~150名程度を対象に、リストバンド型またはリング型のウェアラブルデバイスを貸与し、バイタルデータを収集。働きがいとの関連性を分析し、バイタルデータによるエンゲージメント測定の有効性を検証する。
収集したバイタルデータは、NTTPCの分析技術で可視化される。可視化されたデータはスマホアプリで本人のみが閲覧でき、セルフケアに役立てられるという。また、収集したデータは個人が特定されない形で組織ごとのデータとして分析され、学校全体の健康状態も可視化されるということだ。
さらに、分析した結果と現場からの声を基にして、教員の働きがいを高めるための実効性ある具体的な施策を検討・提言するとしている。
実証実験は2024年12月に開始し、2025年3月末までの実施を予定している。NTTPCは実証用デバイスの提供、実証用システムの導入・運用、データ提供を、みずほリサーチ&テクノロジーズはプロジェクト企画・管理をそれぞれ担当する。