NTT Comが新会社「NTTアクア」 陸上養殖の民主化目指す

NTT Comが、陸上養殖の新会社「NTTアクア」を設立する。沖縄で養殖事業を手掛ける紅仁のろ過技術と、水槽の水質や水温等を一元管理できるNTT ComのICTプラットフォームを組み合わせ、「誰も参加できる」陸上養殖の実現を目指す。

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2024年12月2日、陸上養殖の新会社「NTTアクア」を設立し、同日より事業を開始したと発表した。

(左から)NTT Com 執行役員 ソリューション&マーケティング本部 ソリューションコンサルティング部 部長 渡辺聡氏、NTTアクサ 代表取締役社長 山本圭一氏

(左から)NTT Com 執行役員 ソリューション&マーケティング本部 ソリューションコンサルティング部 部長 渡辺聡氏、NTTアクア 代表取締役社長 山本圭一氏

水産庁によると、2022年の国内食料自給率は38%で、他の先進国と比べると圧倒的に低い。食用魚介類の自給率に関しても、1964年時点では113%だったが、2018年には60%まで低下した。

日本の食料自給率は先進国の中で最低レベル

日本の食料自給率は先進国の中で最低レベル

人口戦略会議による「令和6年・地方自治体『持続可能性』分析レポート」は、2050年までに約744の自治体が消滅危機に陥ると予測する。少子高齢化や地方から首都圏への人口流出等により、水産業の担い手不足も深刻化している。

そこで注目が集まっているのが、水を浄化・再利用するシステムを採用した養殖方法である「閉鎖循環式陸上養殖」だ。海面養殖とは異なり、漁業権が不要であることに加え、海上等での危険を伴う業務が少なくなるため、養殖に関するノウハウを持たない事業者でも参入しやすいというメリットがある。

また、陸上の閉鎖空間で養殖を行うため、気候変動や外部からの寄生虫等の影響を受けにくい。さらに、ろ過した海水を使用して疫病の発生も抑制できるため、安定した生産量を確保しやすいという。

閉鎖循環式陸上養殖の特徴

閉鎖循環式陸上養殖の特徴

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