ソリューション特集クラウドPBX徹底比較 最新トレンドはAI機能とシステム連携

“電話DX”において避けては通れない電話システム(PBX)のクラウド化。近年では、AI技術の発展や他のクラウドサービスとの連携が進んでいる。本稿では、クラウドPBXの進化や選定時のポイントなどを紹介する。

クラウドPBXとは?

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、リモートワークが一般的になった。遠隔コミュニケーションを円滑化するため、Web会議システムやビジネスチャットなどが瞬く間に普及していった。

誰もが自宅にいながら、打ち合わせやテキストベースの会話ができるようになったわけだが、「電話」もまた然りだ。「クラウドPBX」の登場により、電話業務のさらなるDX化が進んでいくと予想される。

クラウドPBXとは、文字通り電話システム(PBX)をクラウド上に構築し、インターネット回線を介してPBXの機能を利用できるサービス(図表1)。事務所内に主装置を設置するオンプレミス型PBXと比べて、インターネット環境が整備されてさえいれば、場所やデバイスを問わず内線通話や社外への電話発信が可能になる。また、オフィスへのPBX設置や配線工事などが不要なため、初期費用を抑えながらスピーディーに導入することができる。

図表1 オンプレミスPBXとクラウドPBXの比較

図表1 オンプレミスPBXとクラウドPBXの比較

しかし、キーマンズネットが2023年1月に実施した調査によると、国内のクラウドPBX導入率は11.8%。導入が進んでいるとは言い難い。

ただ今後、国内のクラウドPBX市場は拡大していくと日本ユニファイド通信事業者協会(JUSA)会長の近藤邦昭氏は予想する。「オンプレミスPBXは、更新や事務所移転時に大きな労力がかかる。災害対策も考慮すると、クラウドPBXへ移行するという流れは止まらないだろう」

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