ネットワークのAI運用を加速へ、ノキアが日本発のトレーニングプログラム開始

ノキアは2024年内に、ネットワーク運用におけるAIと自動化の導入を加速させることを目的とした「AI-Powered エンタープライズネットワーク・トレーニングプログラム」を開始する。AI時代に必要な知識・スキルを持つネットワークアーキテクトの育成を目指す、日本発の取り組みとなる。

ネットワーク/セキュリティ業界では、AI/機械学習(ML)技術を活用して運用を効率化・自動化する取り組みが続けられてきた。

最近ではそこに生成AIが加わり、自然言語で対話できる“仮想アシスタント”が運用担当者をサポートするといったソリューションも登場している。例えば、トラブル発生箇所や原因を調査させたり、問題解決のための対処法を提案させれたりといった具合だ。

テレコム業界におけるAI活用のユースケース

テレコム業界におけるAI活用のユースケース

通信事業者インフラやローカル5Gシステム等を提供するノキアも、長年にわたってAI活用に取り組んできた1社だ。ノキアソリューションズ&ネットワークス 執行役員 ネットワークインフラストラクチャー事業部 カスタマーマーケティング&コミュニケーションズ統括の小美濃貴行氏によれば、「ノキアのAI製品はすでに多くの通信事業者に採用されている」。そのユースケースは、上図表の5つに大きく分けられるという。

ネットワークインフラ全体にAIを組み込み

また、近年は特にRAN(無線アクセスネットワーク)でAI活用が進展している。ネットワーク設備や端末からの情報を基に、ほぼリアルタイムにRANの挙動を最適化したり、エネルギー消費を効率化したりといった制御を行うRANインテリジェントコントローラ(RIC)がその代表例だ。

ノキアソリューションズ&ネットワークス 執行役員 ネットワークインフラストラクチャー事業部
カスタマーマーケティング&コミュニケーションズ統括の小美濃貴行氏(中央)、
同事業部 IP製品部門 IPルーティング統括本部長の鹿志村康生氏(左)、
執行役員 同事業部 エンタープライズ営業本部長の岡崎真大氏

そのほか、ノキアでは「無線パフォーマンスを最適化するAIをチップセットに搭載している」(同氏)。AIが、Massive MIMOのビームを最適化するなどの役割を果たしているという。

RAN以外のネットワークインフラにも、AI活用は広がっている。下図表で示すように、無線LANルーター等の家庭用デバイスに実装しているソフトウェア「Corteca」や固定アクセス向けソリューション「Altiplano」、IPトランスポートや光伝送、データセンターネットワーク向けのノキア製品にもAIが実装されている。

ノキアのネットワークインフラ向けポートフォリオ

ノキアのネットワークインフラ向けポートフォリオ

特に現在力を入れているのが、異常の検出キやャパシティ・プランニング、トラフィック・モデリング、イベント予測、トラフィック予測といった「分析・決定」分野、そして、AIアシスタントが機能や使用方法を教える、トラブルシューティングのためのベストアクションを教えるなどの「アシスト」分野だ。この2つが、AI/ML活用の進化の軸になると小美濃氏は展望した。

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