2022年にソフトバンクが提供を開始し、「10年間一括2000円」という低価格かつシンプルな料金体系が人気の「1NCE IoTフラットレート」(参考記事)。導入企業は世界で1.2万社以上、契約回線数は1500万以上の実績を誇る。
日本国内でも、このプリペイド型のIoT専用SIMを活用するためのデバイスが続々と登場。それとともに導入事例も広がっている。1NCEは通信速度が最大1Mbps(上り下り合計)と低容量だが、そうした低容量IoT通信の需要が高いスマート家電や車両管理システム、機器監視、物流、そしてスマートメーターと、様々な産業で導入が進んでいるという。
ソフトバンク/1NCEブースに展示されたIoTデバイス
ワイヤレスジャパンのソフトバンク/1NCEブースでは、その1NCE SIMに対応したIoTデバイスの数々が展示されている。ポケトークのAI翻訳機「POCKETALK」やATrackTechnologyの車両管理デバイス「AP3」、MDS Intelligenceのスマート水道メーター「HY-CHECK」などだ。
また、SB C&Sの「モバイル定点観測カメラ」は、大容量電池を搭載しており、電源不要で長期間の遠隔監視が可能な点が特徴。撮影した画像を使ってメーターの読み取りや在庫監視、作業監視など幅広い用途で使われる。
SB C&Sが提供する「モバイル定点観測カメラ」
1NCE SIMの機能をフル活用できる“専用端末”
もう1つ、同ブースの目玉と言えるのが、カウベル エンジニアリング製の1NCE専用デバイス「NailEdge(ネイレッジ)」だ。
1NCE SIMの最大の特徴である「10年間500MB」まで使い放題という特徴はもちろん、「1NCE専用にソフトウェアを作り込むことで、その機能をフルに活用できる」(説明員)という。
1NCE専用エッジデバイス「NailEdge」。各種センサーと接続してデータを収集するほか、信号灯などの制御も可能だ
このSIMの売りは安さだけではなく、データ通信量や使用状況の管理、SIMのグループ管理、アラート通知など様々な機能が使える。NailEdgeではそうした機能が活用できることに加えて、AzureやAWS等のクラウドとのAPI連携やデータ可視化、NailEdgeデバイス同士の通信、本デバイスを介した機器制御など様々な機能を搭載している。
カウベル エンジニアリングはこのNailEdgeを、1NCE SIMの通信費とデータを収集するためのクラウド利用費、メンテナンス費を含めた売り切りモデルで販売。現在、パトライト製のネットワーク制御信号灯など他社デバイスとの連携も進めている。