NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2024年5月15日、上空でのLTE利用サービス「LTE上空利用プラン」利用範囲・適用対象を同日より拡大すると発表した。これにより、航空機(ヘリコプターなど)や上空150m以上でも同プランを通じてLTEを利用できるようになる。
LTEの上空利用は、地上の電波への干渉を避けるため一定の条件を満たした場合にのみ可能と電波法で規定されている。同プランはNTTドコモとNTT Comが連携して提供しており、ドコモにて基地局に対して送信電力の制御を加えているため、顧客は同プランを契約することで、機体に開発を加えたり専用のモジュールを搭載することなく上空でのLTE利用が可能だ。
これまで、同プランは高度150m未満を飛行するドローンなどの無人航空機のみ利用可能だった。それが電波法の規制緩和で2023年4月より高度150m以上の空域においても簡素化した手続きでモバイル通信が利用可能となったのに伴い、同プランの利用範囲・適用対象を拡大。高度150m以上の空域を飛行するヘリコプターなどでも同プランが利用できるようになる。
ヘリコプターなどからデータ通信を行いたい場合の手段として、従来は主に衛星通信もしくは総務省への個別の申請によるLTE利用という2つの方法があったが、高速大容量の通信が十分にできない、手続きに時間がかかるといった課題があった。
また、地上と通話する場合には航空用のVHF無線が利用されているほか、機内から撮影した映像の中継などを行う場合にはヘリコプター映像中継システムが利用されているが、機器の導入コストが高額かつ故障交換時にも高額な負担が発生していた。
同プランを利用することで、日常的に利用しているモバイル端末がそのままヘリコプターなどでも利用可能になるため、機内からの音声・データ通信や、機体に搭載している機器の制御・監視などをより手軽かつ低コストで実現できるようになることが見込まれるという。
利用料金は月額4万9800円(税込、以下同)。別途、契約事務手数料として3850円が必要になる。NTT Comは、2028年度内までに300件以上の受注を目指している。