J:COMの2011年度は増収増益――KDDIとのアライアンスを積極推進

ジュピターテレコム(J:COM)は2012年1月25日、2011年度(2011年12月期)の連結決算を発表した。営業収益は前年度比2.5%増の3691億円、営業利益は同6.5%増の711億円だった。地デジ需要を取り込み、加入世帯増加が加速したことや、KDDIとのアライアンス効果などが貢献した。

2012年度の経営方針を説明する代表取締役社長の森修一氏

KDDIとのアライアンスではまず、2011年4月に投入した、J:COMのケーブルテレビ網とKDDIのCDNを活用した新電話サービス「J:COM PHONEプラス」の効果で、電話サービスの新規加入世帯数が前年度の39万6700世帯から43万5600世帯に増加した。また、2010年12月からインターネット接続サービスのオプションとして提供している「J:COM WiMAX」も累計で9400世帯に達している。さらに、関西地区で展開しているauとのクロスセルプロモーションが好調に推移しているという。

2011年度のKDDIとのアライアンスの成果

2011年度の総加入世帯数は366万。サービス別ではケーブルテレビが288万、高速インターネット接続が183万、電話が222万であり、バンドル率(加入世帯当たりの提供サービス数)は1.89となっている。

2012年度は5~6%の加入増を狙う

2012年度は営業収益が前年度比2.4%増の3780億円、営業利益は同3.4%増の735億円、総加入世帯数は「5~6%増を見込む」(森修一社長)という。そのための経営の基本方針を「持続的成長をベースとし、中長期の発展への基盤を固める」とし、(1)お客様基盤の拡大と収益力の強化、(2)顧客満足のための新商品・新サービス・新コンテンツ戦略の展開と利便性の向上、(3)アライアンスの更なる深堀、(4)M&Aの積極展開、(5)ネットワークの堅牢化の推進、(6)業務効率化の更なる推進、を挙げた。

2012年度の経営方針

なかでも(3)については、KDDIとのアライアンスをより拡大していく。まず、1月16日に発表した「auスマートバリュー」を積極的に活用していく。「J:COM NET」および「J:COM PHONE」ユーザーがauスマートフォンをお得に利用できる割引サービスであり、2月14日から申込受付を開始する。森社長は「au加入者のうち、当社サービスへの未加入者が全国に約250万程度おられるので、そこをメインターゲットにしていきたい」という。

「auスマートバリュー」の展開

また、auとのクロスセルプロモーションの全国エリアへの拡大を図るほか、KDDIの直収電話サービス「KDDI メタルプラス」の移行促進も行っていく。現在、NTT東西のドライカッパーを足回りとして提供しているものをJ:COMのケーブルに置き換えるもので、「地デジ後のドアノック商材として期待しており、それをきっかけに多チャンネルや高速インターネットも提案していきたい」と森社長は語った。

このほか、同社は2011年7月の決算説明会で、創立20周年となる2015年に向けて営業収益4500~5000億円、総加入世帯数450~500万世帯を目指すという中期事業計画の方向性を発表しているが、その計画の骨子を4月末の決算説明会で発表する予定であることも明らかにした。

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