<特集>ネットワーク未来予想図20245G周波数は2025年度末に6GHz幅追加 「期待の」Sub6でエリア拡大

総務省では、Sub6とミリ波で5G向けに新たに割り当てる周波数の検討が進んでいる。より扱いやすいSub6は、100MHz幅の確保を予定する。ミリ波は、対応端末の普及やユースケース創出が鍵を握る。

昨今、スマートフォンの「つながりやすさ」に注目が集まっている。

モバイルネットワークの体感品質を調査する英Opensignalが2023年4月に発表した「国内4キャリアのモバイルネットワーク体感調査」では、最も体感品質が安定しているキャリアにソフトバンクが選ばれた。

携帯電話事業に参入当初は「つながらない」と言われ続けた同社が1位になったことを、驚きを持って受け止めた人が少なくない。

一方、ネットワーク品質の低下が指摘されているのが、NTTドコモだ。

かつてドコモは「安定的につながるキャリア」の代名詞的存在だったが、最近は都市部を中心に通信速度が遅い、つながらないといった不満が多く聞かれる。このため300億円を投じて、全国約2000カ所および約50の鉄道沿線で抜本的な対策に乗り出している。

つながりやすさを実現するうえでは、カバレッジエリアも重要な意味を持つ。

5Gの電波には、3.7/4.5/28GHz帯の周波数が使われている。

このうち3.7GHz帯と4.5GHz帯のSub6帯は、電波の到達範囲が広く、遮へい物の影響を受けにくいため、スマートフォンなど広範囲に移動する端末の利用に適する。

ただ、3.7GHz帯は衛星などとの干渉問題があり、キャリア各社は交渉を進めてきた。KDDIの髙橋誠社長は2023年11月の決算説明会の席上、「Sub6の衛星通信との干渉は今年度末には解消され、品質の向上が可能になると見込んでいる」と発言しており、2024年以降はSub6のカバレッジエリアが拡大する可能性が高そうだ。

通信機器ベンダーにも移行を周知

スマホの普及や動画など大容量コンテンツサービスの進展により、モバイルトラフィックは増加の一途をたどっている。また、政府が推進する「デジタル田園都市国家構想」の実現には、5Gなどのデジタル基盤の整備が不可欠だ。

こうしたなか、総務省では5G向けに割り当てる新たな周波数の検討が行われている。「周波数再編アクションプラン」は、2025年度末までに新たに約16GHz幅(2020年度比)の帯域確保を目標に掲げており、うち6GHz幅が5G向けだ。具体的には、4.9GHz帯(4.9~5.0GHz)、26GHz帯(25.25~27GHz)、40GHz帯(37.0~43.5GHz)の割当が検討されている。

図表 帯域確保の進捗状況

図表 帯域確保の進捗状況

4.9GHz帯は、5G候補帯域の中で唯一のSub6帯となる。

「Sub6帯は携帯電話事業者のニーズが高く、5G向けに新たに開放しようと取り組みを進めている」と総務省総合通信基盤局 電波部 電波政策課 周波数調整官の渡辺貴之氏は説明する。

現状、4.9GHz帯は固定無線アクセス(FWA)に使われている。総務省は当初、5Gとの共用も検討したが、相当程度の離隔距離が必要となることから、既存局を移行する方針に切り替えたという。

ただ、移行には時間がかかりそうだ。

というのも、4.9GHz帯のFWAの登録人は約650者、開設局数は約1万5000局にのぼる。「地方自治体や放送、製造、運輸、通信など様々な業界で、災害現場のライブ伝送や工場内のデータ・映像伝送、屋外の固定間通信など多様な使われ方をしている。画一的な移行方策をとることができず、登録人の現状の利用形態等を踏まえて移行方策を検討しなければならないことが大きな課題」と渡辺氏は話す。

4.9GHz帯FWAは無線局免許よりも簡易な登録手続きで利用できるため、通信機器ベンダーやSIerに推奨されて利用しているケースが少なくない。

「4.9GHz帯を使っているという認識がない利用者もいるので、通信機器ベンダーなどにも他システムへの移行を周知していく必要がある」(渡辺氏)という。

総務省では2025年末までに4.9GHz帯の開設事業者の認定を終える計画だが、事業者が決まった段階でも残存局が多く残されている可能性が高い。このため、認定を受けた携帯電話事業者と既存局の関係者との間で終了措置や移行に向けた協議を行い、移行が済んだ地域から5Gの利用を開始する。

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