AWSの“3つ”の強み
同記者会見では、この“クラウド主導経済”実現を見据えたAWSのMSMEへの支援内容に関する説明もあった。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 パブリックセクター技術統括本部 統括本部長の瀧澤与一氏は、同社の支援内容の強みを3つ語った。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員 パブリックセクター技術統括本部 統括本部長 瀧澤与一氏
1つ目は、多様な業界の企業に向けた幅広いプログラムだ。スタートアップ支援プログラム「AWS Activate」や、クラウドへの移行をサポートする「ITX Lite」、大規模言語モデル(LLM)の開発を行う企業を支援する「AWS LLM開発支援プログラム」など、各種サービスを用意する。
2つ目は、10万を超えるパートナーコミュニティだ。「AWSのパートナーネットワークを使って、ツールやコンサルティングなどをMSMEへ提供し、お客様にとって最適なサービスを開始できるような支援をしている」(瀧澤氏)という。AWS上で実行されるソフトウェアなどを見つけて購入し、すぐに使用開始できるオンラインソフトウェアストア「AWS Marketplace」も、2012年よりサービスを開始している。
3つ目は、デジタル教育・トレーニングだ。AWSのクラウドスキルをオンラインで学べる「AWS Skill Builder」や、ゲーム感覚でAWSの学習を行える「AWS Cloud Quest」などを用意している。
AWSの3つの強み
AWSを活用する中小企業の事例も紹介
瀧澤氏は、AWSを導入しているMSMEの1社として、AI学習教材を展開するatama plus(アタマプラス)を紹介した。
日本の教育現場では、未だ紙を使用した教材が多い。また、複数(生徒)対一(教師)の対面授業が中心だ。このような授業形態では、生徒1人ひとりに最適な教育サービスを提供することは難しい。
そこでatama plusは、AWSのクラウドサービスを活用したAI教材を開発。AIアルゴリズムにより生徒ごとの理解度を分析し、パーソナライズ化されたカリキュラム・学習プランを提供できるようになるという。
結果、AI教材を利用したグループと利用していないグループを比較したところ、利用したグループの平均上昇得点が利用しないグループに対し、9点上回ったという。
atama plusの事例
MSMEは日本企業の99%を占め、国内総生産(GDP)の約半数を担う。「MSMEをクラウド技術で支援することは、大きな経済的利益、社会における最大の課題に対処するためのイノベーションを生み出すことができると考えている」と瀧澤氏は語った。