ドコモが「OREX」のオープンRANサービスラインナップ、TCO最大30%削減、消費電力最大50%削減

NTTドコモは2023年9月27日、オープンRANサービスプロバイダーとして、海外通信事業者へ提供するサービスラインナップ「OREX RAN」「OREX SMO」「OREX Services」を発表した。

「OREX」が提供するオープンRANサービス(OREX Packages)

「OREX」が提供するオープンRANサービス(OREX Packages)

OREXは、ドコモと多様なグローバルベンダーが連携して提供するオープンRANサービスブランド。OREXのオープンRANサービスの導入により、オープンRANを導入する際に必要となる初期費用や維持管理費などの総保有コストを最大30%削減し、ネットワーク設計稼働を最大50%削減する。また、基地局における消費電力を最大50%を削減することが可能だという。

OREX RANでは、様々なベンダー製品を組み合わせることが可能となるオープンRANの特徴を活かしたコストパフォーマンスの高い基地局を提供する。具体的には、ドコモが世界で唯一4G時代から複数の通信機器ベンダーを組み合わせて通信ネットワークを構築してきた知見を活かし、OREX PARTNERS 13社の強みを融合した仮想化基地局(vRAN)および各国の周波数に対応した無線装置(RU)を、豊富に取り揃えて提供する。今回、新たにNECや富士通、マべニアなどRUベンダーが7社加わることで、これまで以上に多くの顧客の要望に応えていくとしている。

OREX SMOでは、無線アクセスネットワークの設計・設定・監視を効率化するために、自律的に最適な装置運用を実現できるNTTが開発したソフトウェアを提供する。OREX SMOを導入することで、これまで数週間を要する複雑なケースにおけるネットワークの設計業務を自動最適化し、設計稼働が削減される。さらに、通信エリアを確保するうえで重要な基地局のアンテナ角度を調整する運用業務を自動化することで運用稼働も削減できる。なお、OREX SMOはO-RAN ALLIANCEが規定する標準仕様に準拠している。

OREX Servicesでは、OREX RANおよびOREX SMOの導入時に必要な調達やシステムインテグレーションなどのサービス、導入後の運用サポートやメンテナンスサービスなどを提供する。

ドコモは、自社の5GネットワークへOREX RANおよびOREX SMOを9月22日に先行導入し、運用を開始した。今回導入したのは、富士通の基地局ソフトウェア、Wind Riverのクラウド仮想化基盤、 NVIDIAのアクセラレーター、インテルのプロセッサを採用した汎用サーバーを組み合わせたもの。今後、ドコモのネットワークにおける運用実績を踏まえ、OREXのオープンRANサービスの改善やOREX製品の組み合わせを拡大し、さらなるコストパフォーマンスと信頼性の向上を図る。

併せて、NTTグループが推進するIOWN構想におけるオールフォトニクス・ネットワークの伝送区間への適用、光電融合デバイスを搭載した低消費電力サーバーのネットワーク機器への活用、およびOREX SMOのコグニティブ・ファウンデーションとの連携などを進めていくとしている。

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