NTTPC、閉域型SaaS「エッジマネジメントサービス」を提供開始

NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は2023年8月28日、IoTビジネスにおけるエッジの動作状況把握やエッジアプリケーションの運用負荷削減を可能にする閉域型SaaS「エッジマネジメントサービス」を提供開始すると発表した。同サービスは、新規事業創出プログラムで選ばれた社員のアイデアを事業化したものだ。

昨今、IoTの活用が拡大しており、なかでもエッジコンピューティングに対するニーズの高まりは目ざましいものがある。また、エッジコンピューティングにより、データのリアルタイム処理や通信コスト最適化、情報漏えいリスク軽減などの実現への期待も高まっている。しかし、IoTの普及に伴い、様々なトラブルや運用管理に関するいわゆる「壁」となっている負荷のうち7割が「運用フェーズ」のものであり、IoT/エッジコンピューティングの効果を妨げているケースも少なくない。

IoT/エッジコンピューティング導入に関する運用管理の壁

IoT/エッジコンピューティング導入に関する運用管理の壁

IoTの導入や継続的な運用を容易にするためには、エッジを一元的に統合管理するマネジメントシステムが不可欠になる。エッジマネジメントサービスでは、閉域通信網を使いセキュアな環境でリモートから安全にエッジを管理するための運用管理基盤をSaaSで提供し、顧客の運用業務を最低限に抑えることができる。エッジ(IoTゲートウェイ)の監視だけでなく、エッジアプリケーション、SIMの接続状況(今後対応予定)の展開と管理を遠隔で実現することも可能。管理者や技術者が現地に向かう必要がなく、移動コストの削減・高所作業等のリスクを回避することができる。

サービス概要

サービス概要

また、インターネットを経由せず閉域通信網を利用するため、センサーデータ等の通信秘匿性が向上するほか、インターネット上での悪意あるアクセスの脅威からエッジを保護する。

利用シーンとして、例えば駐車場管理サービスでの課題解決がある。

エッジAIを活用し、駐車場運営の効率化や高度化を実現する駐車場管理サービスでは、全国展開にあたりエッジ監視やソフトウェアアップデート、セキュリティ対応など、AI開発者が担っていたエッジ運用業務の増大が想定される。エッジマネジメントサービスを導入すると、AI開発者以外によるエッジの運用管理が可能となる。AI開発者のチームと運用エンジニアのチームを分離し、サービス拡大に合わせた体制を確立し、サービス品質向上に加えAI開発者が新たなサービスの開発に注力する環境を実現することができるという。

エッジマネジメントサービスの基本料(テナント料)は、初期費用が0円、月額料金が1万円。ID料は初期費用が0円、月額料金が1IDあたり800円となっている。1IDから利用することができ、需要に応じた拡張が可能だ。

今後、NTTPCが展開するAI共創パートナープログラム「Innovation LAB」でもパートナーの声を反映した機能強化を予定している。またNTTPCは、大量のSIMに対するセットアップ業務やコストの低減のため「チップ型SIM」を提供しており、エッジマネジメントサービスでは、そのチップ型SIMなどを搭載した各種センサー等の通信状況の見える化機能を、2023年度下期に提供する予定だ。

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