光伝送装置は扱いが難しい──。
ネットワークエンジニアの中には、そんなイメージを持つ人も少なくないだろう。だが、PacketLight Networksの光伝送ソリューションを取り扱うアイランドシックス 通信インフラ事業部 プリセールスマネージャーの山口闘志氏は、ユーザーの現況をこう述べる。
「お客様の側も光伝送に関する知識を豊富に持つようになってきている。PacketLight製品を最近導入されたお客様も、自分で製品を選び、ネットワーク構築も自ら行った。他社製品は、導入時の設定や設定変更に専門知識が必要だったりするが、PacketLight製品はこの点が違う。社内に光伝送の専門家がいなくても、ネットワークに携わった経験があって“ちょっと知っている”人なら簡単に設定できる。この簡便さこそが、PacketLightの第1の特徴だ」
アイランドシックス 通信インフラ事業部 プリセールスマネージャー 山口闘志氏
PacketLight製品は官公庁や学術機関、大手半導体メーカー、さらに金融業など、大規模かつ機密性の高い情報を扱う団体・企業を中心に導入実績を伸ばしている。その理由の1つが使いやすさだ。ユーザーの中にはPacketLightを“指名買い”する例もあり、これから光伝送を導入・拡張しようとする企業からの注目を集めている。
設定・運用は“専門家いらず” 1Uのボックスを組み合わせ
“専門家いらず”の理由は、直感的に使える管理画面のGUIにある。Webブラウザで管理画面にアクセスし、必要な項目を選んでいけば「例えばアップリンクとダウンリンクの設定・変更も数クリックで完了する」(山口氏)。
Webベースの管理画面。直感的に操作できるインターフェースにより、光伝送の専門知識がなくても設定・運用が可能だ
図表1のように多彩な製品を揃えているが、設定プロセスは全シリーズ共通だ。このWebベースの管理システム上で光モジュールや各リンクのパフォーマンス監視、トラブルシューティングも可能。しかも、利用するのに追加ライセンスやサーバー費用が不要なことも嬉しい点だ。DCI(データセンター間接続)のようにシンプルな構成なら、この標準ツールで問題なく運用できてしまう。大規模なネットワークを構築・運用する場合も、高機能なLightWatch NMS(有償)が用意されているので安心だ。
図表1 PacketLight Networksの製品ラインナップ
そして、PacketLight製品の特徴はこれだけではない。支持を集める理由は、あと3つある。
前述の「シンプルかつ簡単な設定・運用」とともに、創業時から貫くコンセプトが、すべての製品を1Uサイズのピザボックス型で開発していることだ。光伝送システムを構成する各機能を1Uサイズに収めて提供。ユーザーは用途に応じて、この1Uのボックスを組み合わせて導入できる。これが2つめの特徴だ。
光伝送装置は大型になりがちだが、これなら余分なラックスペースを占有することがない。かつ、「シャーシ型に比べて開発期間も短くできる。スモールスタートで導入し、必要に応じて増設するのも容易」(山口氏)と利点は多い。1芯双方向にも対応する。
これらの点が評価され、デュアルアップリンク対応の「PL-4000M 600G ADM/マックスポンダ」と、最大4.8Tbpsまで伝送容量が拡張できる「PL-4000G 4.8Tトランスポンダ」が、先ごろ開催されたInterop Tokyo 2023の「Best of Show Award」で準グランプリと審査員特別賞を受賞(下のロゴを参照)。業界からも高い評価を得ている。また、800G対応製品も開発中で、2024年以降に発売する予定だ。