NFCスマホの販売台数は初年度5000万台
中国銀聯のNFCプロジェクトでは、HTC製のAndroidスマートフォンが使われている。この2社に、microSDメーカーであるIncomm社、アプリケーション開発を担当したWatch Data社が加わった4社の共同プロジェクトとしてトライアルは実施されている。
microSDを使用したNFCモバイル決済を実現するうえで、技術面での課題となったのは、スマートフォン内のアンテナとmicroSD内のNFCチップをいかにして接続するかだったという。この課題については、microSD V2.0で追加された2つの補助ピンにSWP(Single Wired Protocol)を割り当て、直接スマートフォンの内蔵アンテナに接続することで技術的な解決を得た。
HTCはmicroSD/NFC対応スマートフォンの中国国内での販売台数について、初年度5000万台と予測している。中国銀聯のNFCスマートフォンを持った日本への旅行者が増加してくれば、日本側でも対応が必要になってくるであろう。
中国では通信業界よりも金融業界の政治力のほうが強く、本来であれば携帯電話事業者側でリードしてもいいような交通系、ポイントカード管理、店舗での購買などのNFCサービスについても金融業界主導で計画が進んでいる。さらに、カードによる決済業務は銀行の専任業務とし、携帯電話事業者による非接触型プリペイドカードやポストペイドカードを使った店舗決済業務への参入を禁止する法律まで立法し、携帯電話事業者を牽制している。