今、通信キャリアが最も力を入れている分野の1つがクラウド戦略だ。多くの通信キャリアが、クラウドネイティブな通信インフラへの移行を進めている。
現時点では、コアネットワークの一部の機能をコンテナに代表されるクラウドネイティブ環境で実現したり、パブリッククラウドに移行したりといった取り組みが主流だが、今後はさらに活用の幅が広がっていくと予想される。「データセンターだけでなく、エッジにおいてもクラウドネイティブなアプリケーションとサービスがいっそう展開されていくことになるでしょう」とレッドハット テクニカルセールス本部 シニアソリューション アーキテクトの内田篤志氏は分析する。
レッドハット テクニカルセールス本部 シニアソリューションアーキテクトの内田篤志氏(右)、
同部 ソリューションアーキテクトの北村慎太郎氏
しかし、エッジへクラウド技術を展開していくにあたっては、今までにない課題も出てくる。米調査会社のHeavy Readingが2022年1月にサービスプロバイダーを対象にした調査によれば、半数以上がインフラの複雑化やコスト、人員、それらを回すエコシステムなどが障壁となっていると回答した。「通信キャリアが管理するコンポーネントの数は今までに比べると桁違いになっています。そのため、管理するための人員やノウハウが課題となっているのです」と内田氏は指摘する。
こうしたハイブリッドクラウド時代に生じた新しい課題への答えとして、レッドハットではOpen Hybrid Cloudを提唱している。